こんにちは。スピーチコーチの森裕喜子(もりゆきこ)です。
3月は年度末。異動、卒業、転職…さまざまな別れが訪れつつ、新年度へ向けて準備をする時期でもあります。
このタイミングで特に求められるのが「伝える力」ではないでしょうか。
別れの場面では感謝を伝え、新しい環境では自己紹介やビジョンを語る。どちらにおいても、相手の心に響く言葉を選ぶことが大切。
そんないまこそ意識しておきたいスピーチ、プレゼン、コミュニケーションのポイントを私のメルマガ『スピーチコーチ・森裕喜子の「リーダーシップを磨く言葉の教室」』で整理しておきましょう。
別れの場面で求められる「感謝の伝え方」3つのヒント

image by:Shutterstock.com
送別会や異動の挨拶など「お世話になりました」「ありがとうございました」という言葉を交わす機会が増えます。
ただ、いざとなると型どおりの挨拶になってしまいがち。本当に自分の心から出る言葉で、相手の心に伝えたいですよね。
そのためには、次の3つを意識してみてください。
(1)具体的なエピソードを交える
「ありがとうございました」だけではなく、「どんな関わりがあり、どのように助けられたか」を言葉にしましょう。
「〇〇さんとは多くの仕事をしましたが、特に△△のプロジェクトで一緒に徹夜したことが忘れられません」
このような具体的なエピソードを入れるだけで、感謝の言葉に深みが増します。聞き手の心に残るメッセージになりますね。
(2)「あなたがいたからこそ」の視点を持つ
人は、自分の存在価値を認められることで喜びを感じます。
「〇〇さんがいてくれたおかげで、チーム全体がスムーズに動きました」
このように「あなたがいたからこそ」という視点で感謝を伝えると、より心が通います。
照れずに、言葉にしてみましょう。
(3)短く、シンプルにまとめる
これはもう話す上での大基本ですね。
「あれこれ全部話したい」となると、どうしてもダラダラと長く話すことに。
するとせっかくの想いや言葉が薄れて「話が長い」が最も強く印象に残ってしまいます。
だからこそ、事前に情報を整理しておく必要がある。
「私はこの場面で、この人たちに向けて何を伝えたいのか?」
これを念頭に置いて、しっかりと選びましょう。
3つのポイントをまとめると、「具体的なエピソード」+「あなたがいたからこそ」+「一言の感謝」でシンプルに。
話す長さは3分くらい。長くても7分で。
全てを言葉にしようと思わず、少し緩みを持たせるくらいの方が聞き手の想像力を引き出し、より心に響く話になります。