それでは実際、部下が上司に求めていることはどんなことなのでしょうか?調査の結果を見てみると、「相談しやすい環境づくり(31.5%)」の声が一番多く、「部下への理解(20.4%)」「明確な指示(10.6%)」の意見が続きました。
7位 適切な業務分担
「部下が自分の才能を活かせる業務に向き合えるよう、仕事を分ける」(30代 女性)
「チーム全体の業務内容を把握し、的確に作業分担をしてくれる。現上司は作業分担の偏りが多く、定時まで時間を持て余す人がいる一方、別の人は残業になるくらいの仕事量を振られています」(40代 男性)
職場には作業が早い人やベテランなどさまざまな人がそろっています。あまりにいびつな業務分担だと不満が出るのも目に見えているでしょう。同じ給料なのに作業量に差があるとなれば、「適切に評価されていない」「頑張っても同じ給料だとばかばかしい」とネガティブな感情がたまる一方です。
部下についてきちんと理解し、見極めたうえで的確な業務分担ができる上司は部下にとっても会社全体にとってもいい存在となります。
6位 部下に仕事を任せる
「ある程度仕事を部下に任せ、自分と違うやり方でも認めてほしい」(40代 女性)
「細かいことをぐちゃぐちゃ言わずに任せてくれる」(50代以上 男性)
部下を疲れさせる上司の特徴にもあった「指示が細かすぎる」や「部下を認めない」という意見からもわかるように、ある程度仕事を任せてもらえるとモチベーションアップにも繋がります。とはいえ任せっきりにすればいいというわけではなく、「間違った方向に進みそうなときはフォローしてほしい」という意見もあり、見守ってくれる上司が理想と言えるようです。
5位 感情を表に出さない
「常に冷静で、イライラしている感情は隠してほしい。自分が何かしたんじゃないかと不安になってしまう」(20代 女性)
「有事にも狼狽えず、冷静でいてくれること」(30代 女性)
上司のメンタルが不安定になってしまうと、コミュニケーションをとるのに気苦労を感じてしまう部下もいます。ネガティブな感情を表に出して八つ当たりまでするとなれば、退職を選ぶ部下も出てくるかもしれません。
特に焦ってしまいがちなトラブル時など、上司には「いつも冷静にいてほしい」と思う部下もいることでしょう。また、「質問や相談をしたとき、嫌な顔をしないでほしい」と願っている人も多いようです。
4位 困ったときのフォロー
「ミスをしてもカバーしてもらえる」(20代 女性)
「必要なタイミングでのアシスト」(30代 女性)
困ったときに助けてくれるような上司がいれば、部下は安心して仕事に集中できます。そのほかにも「優先順位を指示する」「目標に立ち返らせて道筋を示す」といったサポートもいいでしょう。部下の性格や状況を理解し、適切なフォロー体制が整っていれば働きやすい職場へと変化します。
3位 明確な指示
「とにかく指示は的確にわかりやすく、そして短くお願いしたいです」(40代 女性)
「口で言うだけでなく、指示書をきちんと書いてほしい」(50代以上 男性)
部下を疲れさせる上司の特徴では「指示があいまい」に一番多くの声が集まりましたが、明確な指示を出してくれる上司とは働きやすいと感じる人が多数いることがわかりました。より頼れる上司を目指すのであれば、「指示を出したあとに部下が理解しているか確認」ができれば、まさに部下が理想とする上司になれるでしょう。
2位 部下への理解
「部下の業務内容や進捗状況の把握」(30代 女性)
「各部下の状況や立場を理解し、寄り添ってくれる」(40代 男性)
適材適所の人員配置や、性格に合わせたコミュニケーションを図るためにも、部下を理解するのはとても重要なこと。部下の業務内容はもちろんのこと進捗状況を把握するのも部下に求められています。理解するだけでなく、業務が遅れそうであればフォローを入れるなど、業務効率の面でも大事なポイントです。
1位 相談しやすい環境づくり
「話しかけやすい。作業中でも、優しく「この仕事が終わったら聞きます」など返事をしてくれる」(20代 女性)
「多少の失敗は大目に見て、失敗しないように前もって相談できるような雰囲気をもってくれていればいいと思います」(50代以上 男性)
部下が何か問題を抱えているとき、気軽に相談できる環境があれば、業務における不安を解消し円滑に仕事を進めることができます。また、部下が自分の意見やアイデアを気軽に伝えることができれば、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながることでしょう。
上司と部下の関係性が職場全体に及ぼす影響は大きいため、リーダーとしての自覚を持ち、部下に配慮した行動を心掛けることが重要です。上司としての責任を果たすことで、職場の雰囲気や業務効率を改善し、より良い働き方を実現できるのです。