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5 件こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
日本のニュースやSNSでもたびたび話題に上がるブラック企業の問題。聞くだけでびっくりするような内容ばかりですが、韓国にもさまざまなブラック企業があるようです。そこで今回は、韓国人が体験したブラック企業エピソードについて聞いてみました。
韓国人の友達や、筆者が教えている日本語教室の生徒のエピソードをもとに、韓国のやばいブラック企業エピソードをのぞき見してみましょう。
自分中心な個人経営者に、横暴なお客さん
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これは、トリマーとして働いている生徒から聞いた話です。
韓国は、個人で経営しているお店が多め。動物美容業界も例外でなく、社長が構える店にフリーランサーとして雇われる形でトリマーが在籍するそうです。
社長が自らもトリマーをしていたり、明るい人柄ならよいのですが、「全く知識はないけど儲かるから店を構えた」という人の場合は、結構大変。トリマーや業務内容に関わらずに口出しをしてくる人が多いんだとか…。
筆者が日本語を教えている彼女は、周りからは評判のいいトリマーなのですが、いつも仕事の話になるとしんどそうです。
社長からは「一日に最低〇〇人は予約をとれ」「一匹の美容にどうしてそんなに時間がかかるの？」「料金をもっと下げてお客さんを呼ぶことはできない？」などなどキツイ言葉ばかり…。
また、お客さんも大変な人が多く、連絡なく予約の時間に遅れてきたり、料金に口出ししたり、トリマーの悪口を広めたり…。韓国は日本よりも「口コミ」を信じていく人が多いので、お客さんからの評価によって収入が大きく変わってしまうのです。
以前、彼女の同僚が急に辞めてしまい、彼女一人で二人分の仕事をこなしていたときがありました。そのときは食事はもちろん、トイレにも行けないほど忙しかったんだとか。彼女はその後、そのブラックなお店をやめて他店に移りましたが、どこも内情は同じようなものなんだそう。
日本でも同じようなことがあるとは思いますが、韓国は日本に比べて業種を問わず個人経営の店がかなり多いので、このようにスタッフと社長の食い違いが多い印象があります。
いい社長に出会えたらラッキーですが、いい人に出会えるかは運次第。「韓国でバイトがしたい！」「就職したい！」と思っている人は、とりあえずチェーン店や大手から始めることをオススメします。
安定した大手企業でも、45歳で転職せざるを得ない？
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筆者が日本語を教えている生徒のなかには、「もう韓国で働きたくない！」との思いから、日本語を勉強して日本企業への就職を考えている人がいます。
コロナ禍前は韓国と日本をつなぐ就職活動サポートが充実していて、その一環として筆者は「日本語会話」「ビジネス日本語会話」のクラスを担当していました。
そこの生徒に聞いた話では、
- エンジニアとして働いているのに、インセンティブやボーナスがなかった
- 縦の関係が厳しく、会社が軍隊のようだった
- 急に勤務先が変わり、同じ市内ではあるものの車で片道2時間の通勤時間になった（勤務時間変更や交通費支給など会社からの配慮は何もなかった）
などがありました。話を聞いていると、中小企業はあまり従業員への対応がよくないところが多いなと感じます。
一方、韓国では大手企業（サムソン、LG、ロッテ、現代など）は、給料や福利厚生がいいです。だから、多くの人が「絶対大手に入りたい！」と思うのでしょう。
とはいえ、この大手企業は実質の定年退職がだいたい45歳だと言われています。45歳になると、役員ではない限り急に地方勤務を命じられます。そこで辞めて別の会社に行くか、会社に言われるまま地方で働くかに分かれるんですね。
45歳になると家を購入している可能性もあるでしょうし、子どもの教育環境のこともありますから、そうなると別の会社に転職せざるを得ないのが、ほとんどのパターンなんだそう。
現在、日本でも「終身雇用制度は崩壊した」とは言われていますが、厚生労働省職業安定局が公表している「我が国の構造問題・雇用慣行等について」（PDF・2018<平成30＞年度）によると、若年期から同じ企業で勤め続ける、いわゆる「生え抜き社員」は2016（平成28）年時点で約5割。まだまだ終身雇用制度を取り入れている企業が多いことが伺えます。
韓国も日本同様、もともと終身雇用制度を基本としていたそうですが、現在は中小だけでなく大手でも、前述のように転職を余儀なくされる状況です。ただし、「元大手企業出身」なら就職先には困らないし、交渉次第ではいままで通りかそれ以上の給料をもらうこともできます。しかし大手とは言えども「一生安定」ではないところが、現在の韓国社会なのです。
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