「仕事を探しているのに、面接すら受けられない」。そんな状況に置かれている人が、いまの日本に少なくないとしたら、皆さんはどう感じるでしょうか。企業は人手不足に悩み、求人は溢れている。それなのに、働きたい人が働けない。その背景には、意外な落とし穴がありました。それが「連絡先がない」という問題です。
今回は、「誰でもスマホリサーチセンター」が、携帯電話を持てない期間があった648名を対象に実施した「通信手段の喪失による生活への影響」に関するアンケート調査をもとに、通信手段を失った人たちの実態を見ていきます。人ごとではないかもしれない、その現実が見えてきます。
携帯電話を失うきっかけは、誰にでも起こり得ること

image by:誰でもスマホ リサーチセンター(via PR TIMES)
まず、携帯電話が止まってしまった、あるいは連絡先を持てなかった直接のきっかけを尋ねた結果から見ていきましょう。
1位 物価高による生活費の圧迫(134人・20.7%)
最も多かったのは「物価高による生活費の圧迫」でした。食費、光熱費、家賃。あらゆるものが値上がりする中で、毎月の支出をやりくりするのは簡単ではありません。やりくりを重ねるうちに、通信費の支払いが追いつかなくなってしまう。そんな人が、2割を超えていたことになります。通信費は「なくても困らない出費」ではなく、「なくなると何もできなくなる出費」。生活費の圧迫が、連絡手段まで奪ってしまう現実が、数字から浮かび上がります。
2位 突発的な病気・ケガ(133人・20.5%)
突発的な病気やケガも、携帯電話を失う大きなきっかけでした。予期せぬ出来事が、暮らしの土台を揺るがしてしまう。その現実が、数字に表れています。「自分は大丈夫」と思っていても、病気やケガはいつ誰に訪れるかわかりません。この結果は、通信困窮が一部の人だけの問題ではないことを教えてくれます。
さらに、自由回答には「他人に名義を貸して踏み倒された」「自己破産申請のため」「メンタル疾患で仕事が続かず」といった声も寄せられました。家計の悪化、人間関係のもつれ、体調の崩れ。どれか一つなら乗り越えられたかもしれない困難が、同時に押し寄せることがあります。そうして追い詰められた先に、「連絡手段を失う」という出来事があるようです。

image by:誰でもスマホ リサーチセンター(via PR TIMES)
また、携帯電話が持てなかった期間については、「半年以上」が38.9%(252人)で最多でした。約4割の人が、半年以上にわたって連絡手段のない状態を過ごしていたことになります。一時的なトラブルではなく、長く抜け出せない状況が続いているのです。
連絡先がないことで、人は何を失うのか

image by:誰でもスマホ リサーチセンター(via PR TIMES)
では、連絡先がないことで、実際にどんな困りごとが起きていたのでしょうか。
1位 家族や友人と連絡が絶たれ孤立した(324人・50.0%)
堂々の1位は「家族や友人と連絡が絶たれ孤立した」で、半数にのぼりました。2人に1人が、大切な人とのつながりを失っているということです。いまや連絡の多くは、電話やメッセージアプリが当たり前。通信手段がなければ、友人の誘いにも気づけず、家族の安否を気遣う連絡も届きません。しんどい時ほど誰かに頼りたいのに、その手段がない。経済的な苦しさに「孤立」が重なることで、心の負担はさらに大きくなってしまいます。お金の問題が、人間関係の問題にまで広がっていく。通信困窮の怖さは、まさにそこにあるのではないでしょうか。
2位 仕事の面接を断られる(258人・39.8%)
2位は「仕事の面接を断られる」で、約4割にのぼりました。いま、多くの業界で人手不足が叫ばれています。働き手を求める企業がある一方で、連絡先がないというだけで、面接の機会そのものを失ってしまう人たちがいるのが事実です。採用担当者からすれば、連絡が取れない相手とは日程調整もできません。仕方のない面もあるのかもしれません。けれど、本人にとっては「働く意欲があるのに、スタートラインにすら立てない」という、あまりにもやるせない状況です。

image by:誰でもスマホ リサーチセンター(via PR TIMES)
日常のコミュニケーションだけでなく、就労や住居の確保といった生活の土台まで揺らいでしまう。通信手段は、単なる便利な道具ではなく、社会とつながるための入口なのだと、あらためて気づかされます。


0 件
