親の価値観は自分の世代では実は少数意見だった
ちなみに、もし私が父の言う通りにして会社を辞めていたら、私の世代以降では少数派になっていたと思うんです。「あの当時仕事辞めて子育てを選ぶなんて珍しいですね」とか言われるようになっていたのではと思います。
いまは保育園から小学校受験も普通にありますし、かつて言われていたような「幼稚園より保育園が劣っている」ということもないですしね。
さらに、いま「パワーカップル」という言葉が出てきているじゃないですか。
パワーカップルとは、最近トレンドになっている言葉で、夫の収入に関係なく妻が働くことで世帯年収が倍になる夫婦のことですが、こういうカップルが増えているので、日本の一億総中流を崩し始めていると言われています。
親の古い価値観に合わせた結果、世帯収入が減ったとしても、親が金銭的援助をしてくれるわけではないですからね。
「永久的に変わらない価値観」なのか「時代と共に変わる価値観」なのか
親の価値観で人生を選ぶ必要は全くもってないと思います。
ご質問者のかたも、「介護にお金を使って何が悪い」と思っているようですし、そういう信念があるならそれを貫いたほうがよいと思いますよ。
結局介護するのは自分であって、自分が被害者な気分で介護することが、介護される側にとってもよいこととは思えませんし、なにしろ、価値観が凄いスピードで変わっている世のなかで、親の価値観が正しいとも言えませんから。
若い世代にとってはあなたの価値観も古いかもしれない
関連して、親のようなうえの世代にだけではなく、自分自身の価値観がいまの世のなかに合っているかどうかにも日々気をつける必要はあると思います。
たとえば、部下に対して「仕事だからやってください」はもう古いですよね。「仕事であっても、自分を犠牲にしてまでやる必要はないから、みんなで協力しよう」みたいな風潮になっていますし、実際、仕事においても多様な考えを入れていくべきなので、この考えがいまは正しいのです。
「私の時代は、先輩に手伝ってもらって仕事を終えるなんてなかったわよ」なんて言ってしまったら時代錯誤です。
自分の親の古い価値観で自分の人生を変えてしまうことも避けたいですが、自分の古い価値観を若い世代に当たり前のように押し付けるのも避けたいものですね。
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