こんにちは。垣屋美智子です。現在私はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
今回はメルマガ読者の方からいただいた、インターナショナルスクールについてのご質問に答えました。
読者の方からの質問:凡用性の高い仕事をしたほうがいい?
新卒で入社して3年目です。いまは金融業界にいるのですが、金融は自分にとっては全然身近ではなく、こんなことをしたかったのかなと悩んでいます。
美智子さんも金融業界にいらっしゃったと思うのですが、その経験はよかったですか?もっと汎用性の高い仕事(広報や人事など)のほうがよかったのではないかと悶々としています。
仕事は自分の価値を提供することがポイント
ご質問ありがとうございます。まずお伝えしたいのは、「やりたいを仕事に」はちょっと違うということです。
仕事は自分の価値を提供することがポイントで、自らの価値が提供できていないとしたら悩むべきですが、仕事をしていて重宝されているのであれば、むしろ「こんなこと」と思っている仕事でも、いい仕事をしているなと受け入れるべきです。
そのうえで、さらに価値を提供するため仕事の幅を広げたいと思うのはよいと思います。業界を離れるのもよいのではないでしょうか。
その際も、全く経験のない職種というよりは、いま営業職をしているなら営業職で他業界であったりという感じで、いまの経験を生かすことで業界の幅を広げるのがよいのではと思います。
私でいうと、エンタメ業界から金融業界に転職しましたが、金融業界にはエンタメ業界担当の証券アナリストという形で入りました。
つまり、いまの仕事に積み重ねていくことでキャリア形成するべきというのが私の考えです。
金融業界からパン屋さんになる、そのためにパン屋になる学校に行く、という感じで、いまの環境を否定から入るのはあまり好きではないんですね。自分に合わないと否定するより、いま足りない部分に新しいものを重ねていく感覚でキャリア形成していってほしいです。
新卒の環境は否が応でもその後に影響する
また、実際、新卒の業界や社風が好きでなかったとしても、新卒の環境が否が応でもその後のキャリアに影響すると思います。
たとえば、私はエンタメ業界から金融業界、金融業界からベンチャー投資業界&ファッション業界という移り変わりですが、エンタメ業界からキャリアをスタートしたので、エンタメのような数量で測れないモノの価値がほかの人よりわかると思います。
また、グローバル商品であるプレイステーションに関わったので、グローバルな事業に魅力を感じます。あとはソニーという大企業を経験したので、大企業の政治事情や物事の決定プロセスについても理解できます。
一方で、金融が儲かる儲からないが基準になっているのに対して、若干の抵抗を感じます。つまり新卒で入った業界の影響が一番大きいのです。自分としても、それを肯定しています。
では、たとえば、外資系金融育ちのかたはどうでしょう?
新卒から外資系金融育ちのかたにヒアリングしたところによると、東京が世界の辺境にあるということを理解し、世界基準に合わせることに長けており、グローバル企業の一員としてダイバーシティについては新卒から当たり前に接しているので抵抗感が全くない、というのがあるようです。
また、外資系コンサル育ちのかたにヒアリングしたところ、クライアントである国内企業より派手に見えることはNGで、「ドレスコードは地味に」と言われていたとのことで、いまも交わる能力(協調性)に長けていると言っています。
このように、新卒で得た経験は消せないだけでなく、その後のキャリアに考え方などでも影響するものなのです。