こんにちは。垣屋美智子です。証券アナリストとして10年間従事した後、現在はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、事業分析力と会計知識を生かし「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
さて前回、「学校での評価軸が縦軸や横軸一本で考えられがちだが、立体的に進路やキャリアを考える方が現代社会に合っていると思う」ということを書きました。
- 前回の記事はこちら
- 現代社会に通用するのはどっち?「海外の学校の評価軸」と「日本の評価軸」の違い
なぜ、立体的に考える方が現代社会に合っているかと言うと、それは現代社会は価値観が多様で、また価値観が変わるスピードが早いからです。
現代社会は一軸の価値観ではない
ある世界では正しかったり常識的なことが、違う世界ではそうでないというのはある話ですが、その変わり方がいまは早いため、自分のこれまで築いてきた価値観と違うことが起きるということが結構あります。
たとえば、30年前は存在もしなかったMeta(旧Facebook)やGoogleなどの企業がいまでは世界的な企業になっていて、そこで働くことが日本においてもステータスにさえなっています。
では、MetaやGoogleのような外資系の実力主義な企業で働くためには、何が必要になるのでしょうか?
学歴がよければよいのでしょうか?そうとも限りません。
嘘のような本当の話ですが、外国人の上司のなかには、「東京大学と日本大学、どちらがレベルが高いの?日本大学が日本でトップじゃないの?というかどっちでもいいけどね、仕事できれば」みたいな人も実際います。
また、外資系で活躍するには語学も必要になりますし、本国の上司にアピールするようなコミュニケーションスキルも大事です。
生え抜きが重宝されるわけもないので、むしろ、新卒よりもスキルのある中途の方がよいかもしれません。
このように、グローバルな価値観が日本にも入ってくると、これまでのように「とりあえず学歴があれば」や「とりあえず会社に入れば」は通用しません。
逆に言うと、一軸な評価ではこれまで評価しきれなかったところこそが重要になってくるわけで、その意味では、色々なチャンスが転がっているとも言えます。
学歴は全く重要ではないのか?
結論から言うと、学歴はないよりあった方がいいという程度で、学歴が重要というより、どんな経験をするかが大事なのだということ。
なぜなら結局最終学歴がものを言うのは新卒入社のときだけだからで、その傾向は今後ますます顕著になるはずだからです。
中途採用も増えていく現在においては、新卒では学歴で足切りされた会社にも入れるチャンスがあるでしょう。
となると、個を磨く経験が最重要だということ。
学生の間に留学をしたり、部活を頑張ったり、生徒会長をやったり、そうかと思えば、引きこもってみたり、そういう「個」としての特徴となる経験をどんどんやった方がいいです。
逆に言うと、たとえば受験勉強のために部活を辞めたりするのは一般的過ぎて、一軸の評価を得るうえでは重要かもしれませんが、立体的な進路形成においてはそこまで価値がないかなと思います。
受験勉強を頑張るのは当然のことであり、「学生時代は高2まで部活も頑張りましたが、その後は受験勉強に集中して東大に合格しました」よりも、「受験勉強と部活を両方頑張って、スポーツ推薦ももらえたけれど、勉強の方で大学受験をして結果を出しました」という成功体験の方が個としての経験値はあがると思いますし、実際どうやって両立したのか聞いてみたいですし、個としての魅力や特徴につながると思います。
実際、私の知り合いに偏差値40ほどの高校から東大理一に入った方がいますが、それは全然通常の東大生と違う経験なのではないかなと思いますし、実際その方は経済的にも成功されていますし、社会的地位もあります。
ただ、結局東大は中退されているので、経済的な成功や社会的な成功に最終学歴は関係なく、むしろ偏差値40の高校から東大合格という個としての変わった経験がそのまま個人としての成功に繋がっている気がします。
立体的に人生を形成していくためには
つまり、現在の評価制度(特に学校教育)はまだ一軸の評価中心ですが、その評価体系で評価されないからと言って、人生が終わっているわけではなく、貪欲に色々な経験をしていくのが大事だと思います。
むしろ人生においては、失敗して落ち込む時間や何も考えず他人と同じ経験をしていくことの方が無駄であり、一軸の評価に振り回されないことが重要です。
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