こんにちは。垣屋美智子です。現在私はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
今回はメルマガ読者の方からいただいた、「親の介護をお金で解決は悪か? 」というご質問に答えました。
読者のかたからの質問:「親の介護をお金で解決」は悪か?
40代女性、家族構成は夫と娘一人、仕事は会社員です。最近の悩みは、両親との関係です。
コロナ禍で母が病気になり、父も高齢なため、一人娘の私に介護を要求してきます。私は仕事も子育ても忙しい中で、仕事を辞めて介護をするくらいなら、お金を使ってプロに介護を依頼したいと父に言ったのですが、父は「そんな心のないことを言わないでくれ」と言ってきます。
介護にお金を使ってはいけないのでしょうか?私の価値観が間違っているとは到底思えません。
美智子さんはこういう状況はどう思いますか?美智子さんだったらどうされますか?
私が親から押し付けられた旧価値観
ご質問ありがとうございます。
価値観も時代によって変わりますが、まさに旧価値観と新価値観の狭間で生きるアラフォー世代の悩みですよね。
振り返ってみると、いまの40代は、結婚すれば寿退社が当たり前だった時代に仕事を続けて、ワーキングマザーが当たり前でない時代にワーキングマザーになって…という世代だと思います。
そして、社会が認めてくれていないなかで頑張っただけでなく、家族もこの新しいチャレンジを認めてくれていなかった世代なのではないでしょうか。
私も自分の父には、子どもを出産した12年前に、「『育休を1年取らせてくれ。無理ならやめる』と会社に言え」と言われました。
…が、私は父の意見を無視しました。
当時、仕事においては私の代わりなんてたくさんいて、父の言う通りを会社に伝えたら、「それでは自主退職をご希望ですね」と言われる時代でした。私には、せっかく競争を勝ち抜いて獲得したポジションをそう簡単に捨てる気はなかったのです。
さらに、父の意見を無視した理由としては、もう一点あります。
私が「娘」ではなく、「息子」でも同じことを言ったのか?
父は、私が「娘」ではなく「息子」だったら同じことを私に言ったでしょうか?
息子の妻がバリキャリで妻の収入だけでも生活に困らないとしても、「妻が働いてるんだからお前は育休取れ」と言うでしょうか?
「女性は家庭に入るべき」という考えのもとに父は私にこういうことを言ってきたわけで、私が息子であれば、そうは言わなかったはず。女性の社会進出が進みつつあるなかで考えが古すぎるという理由で、私は父の意見を無視しました。
さらにこれには「おいおい」という後日談があり…。
私が娘を保育園に入れた後、保育園が予想を超えてよかったのですよ。そしたら、父は「赤ちゃんの時期に母親とふたりでずっと過ごすより、保育園でいろんな先生と同い年の赤ちゃんに刺激を受けられるなんて最高じゃないか」とか言い出して…。
私は、「は?あんた私に1年間は育休取って、自分1人でしっかり育児しろって言ったよね?」と心のなかで叫びました。
そんな感じで、両親には人生の転機で必ず反対されてきましたが、私のワーキングマザーの選択を通して、改めて、 価値観の過渡期は、自ら信念をもって、親に新しい価値観を見せて後から納得してもらうしかないと思いました。