カウンセリング×心理療法の、問題解決型カウンセラー・前田泰章です。メルマガでは、人間関係の改善、日常生活や仕事に役立つ情報を、実体験を通して語っています。
きょうは、「お人よしの自分を変える秘訣」についてお話しします。ぜひお悩み解決のヒントにしてくださいね。
ある条件を満たした「お人よしさん」は尊敬できるけど…
頼まれると「ノー」と言えない、そんな「お人よしさん」はある意味、自分のことより人のために尽くしたい気持ちが強い人格者です。
「条件付き」で尊敬に値すると、私は思っています。
その「条件」とは、「ノー」と言えない自分自身になんの苛立ちも感じていないことです。
もっとわかりやすく言うと、「ノー」と言わなかった以上は、心からその人の役に立とう!と思えるかどうかです。
「私ってお人よしだなあ。でも、心底その人の力になりたいと思っている。だからノーと言わずに、喜んで頼まれごとを引き受けるんだ」
そう思えるのなら、お人よしであることは大いにけっこうです。心もスッキリと晴れていることでしょう。
問題は、この条件を満たしていない「お人よしさん」です。
つまり、「ノー」と言えない自分を情けなく思いながらも頼まれごとを引きうけ、いやいや力になってあげている人たちです。
「お人よしさん」の多くは、この部類に属するのではないでしょうか。
「ノー」と言えない理由とは?
こういう人の心には、自分自身を嫌悪する気持ちや、こちらの都合も考えずに頼みごとを押しつけてくる相手に対する不満などが渦巻いています。
心が「いやだ、イヤだ」とジタバタしているのです。
イヤなのに、頼まれると「ノー」と言えないその理由を考えてみると、自分では認めたくないかもしれませんが、心のどこかに、「いい人だと思われたい」「相手の気分を損ねて、嫌われたくない」という思いがあるからではないでしょうか。
「ノー」と言えないのは、相手のためではなく、実は自分のためなのです。
しかし、よく考えてみてください。本当は断りたいのにイヤイヤ引き受けることで、相手は喜ぶでしょうか。
そういう気持ちは必ず相手に伝わるので、引き受けてもらうことはありがたくとも、自分が暴君になったような居心地の悪さをぬぐうことはできないでしょう。
「ノー」なら「ノー」と言われたほうが、スッキリすると思います。
「ノー」のなかに「力になりたい気持ちは山々だけど」という気持ちやメッセージが伝われば、相手が気を悪くすることはめったにないでしょう。
また、相手にいい人だと思われることは、そんなに大事でしょうか。
嫌がることを押しつけてくるような人なら、別にいい人だとは思われなくていいのではありませんか?
頼みごとを断ったくらいで「あんたなんて嫌い」などと思う人とは、そもそも付き合う必要はないと思うのです。
そこらへんをまず、認識して頂いたうえで、「ノー」と言えない人は自分のその習慣を改める必要があります。