こんにちは、精神科医・心理研究家のゆうきゆうです。発行しているメルマガでは、人間心理を裸にして、あやつる技術をお教えしています。
突然ですが、あなたは毎日楽しんで生活していますか?もしくは苦しいことの連続だったり、退屈な日々を送っていますでしょうか?
もし答えが「楽しくない」と思うのであれば、今回の内容は、特に役立つのではないかと思います。ぜひお読みください。
重要なのは「もんたの」
まず重要なのは「もんたの」。内容はシンプルで「問題を楽しもう」というもの。略して「もんたの」です。
私はこの生き方こそが最強ではないかと思っています。
実際に、こんな言葉もあります。
「凡人は不満を嘆き、賢人は不満に学び、達人は不満を活かす。そして偉人は不満をも楽しむ」
これ、なかなかに興味深いと思うのですが、いかがでしょうか?
ここにおける「不満」というのは「問題」と言い換えても通じます。
当然ですが、大半の人にとって「問題」というのは、イヤなもの。できるなら避けたかったり、消えてしまえばいいのに…と思うことも多いはずです。
そういう人たちにとっての理想の人生とは「まったく問題がない人生」となります。
しかし逆に、そうなったらそうなったで、別の問題が生じてしまいます。
まず、問題がないということは、変化も成長もありません。くわえて問題がないゆえに、日々が退屈になってしまいます。
ゲームで例えるなら、ただ何の障害物もない道を、ひたすらレバーを倒して進むだけのようなステージ。おもしろくなさすぎて、続けることが苦痛になるはずです。
問題を避けたり、問題がなければいいのに…と願うことは、もっともっと大きな問題につながってしまいます。
だからこそ「もんたの」。逆に「問題を楽しもう」と思うことが重要なのです。
どうすれば「もんたの」できる?
では一体、どうすれば「もんたの」ができるのでしょうか?
まずはキーワードとしての「もんたの」を何回も繰り返して、「問題を楽しむことが大切なんだ!」と思い込むこと。
この世の中は、そういうルールだと考えることです。
そして、今後出会う問題ひとつひとつを、ゲームだと考えましょう。
おもしろいゲームは、次から次に新たなミニゲームが出てきて、飽きさせません。
またそれらのミニゲームをクリアしていくうちに成長し、最後のゴールに向けて、プレイヤーが進んでいくことになります。
それと同じく、すべての問題を「自分を楽しませるためにできたゲームなんだ」と考えましょう。
これから先の人生で、すべての問題を「あぁ苦しい、なんてつらいんだ」と思う人と、「あぁ楽しい、おもしろいゲームだ」と思える人。前者にとっては地獄ですが、後者にとっては天国になるはずです。
まずは考え方を変えて、すべてを「もんたの」で捉えてみましょう。
ゲームは小さく少しずつ!
さらに、すべての問題において「その問題を完全になくす」ことをゴールにしてしまうと、大変だと思えてきてしまいます。
またその思考があまりに強いと「問題はつらいもの」「消し去るべきもの」と思えてきて、つらくなってきます。
重要なことは、「もしこの問題という敵に、1回だけパンチするとするなら、どうするか?」と考えてみることです。
もちろんパンチでなくキックでも、または「1だけダメージを与えるなら」とかでも構いません。
たとえば「部屋が散らかってる」とします。このときに「全部片付けないと」と思うと大変。
しかし「1だけでもダメージを与えるなら」と考えれば、「本1冊だけ片付ける」とか「服を1枚だけ動かす」とか、小さな解決策が考えられるはずです。
であれば、それを実行してみましょう。
また「家族と険悪になっている」という問題があったときに、同じく「険悪な関係を完全に解消しよう」と思うと、やはり気持ちが重くなってきて、楽しむどころではありません。
こんなときも「この険悪な関係を1ポイントだけでも改善するなら?」と思うこと。
そう思えば「じゃあ1回だけ微笑んでみよう」「少しだけあいさつをしてみよう」「お礼を言ってみよう」などの方法が思いつくはず。
であれば、実行しやすくなるのではないでしょうか。
ゲームで言うなら、たとえば敵にたいして「ズバッ!」と斬りかかると、それだけで快感のはず。
ゲームセンターにあるパンチングマシンのようなもので、人間は何かを攻撃するだけでも、ちょっとした快感を得られるものです。
問題を「消し去ろう」と考えるのではなく、「1だけダメージを与えよう」と考えて、ちょっとした行動を取ってみようと思うこと。
そもそも発端が「もんたの」こと「問題を楽しむ」ことなので、消そうとするよりも、「問題と末永くつきあって、殴ることを楽しませてもらおう」と思うことが重要です。
そしてそう考えて何度も攻撃しているうちに、不思議なことに、問題はいつのまにか消え去っていたり、気にならなくなってしまうものです。
たとえば、少しずつでも掃除を繰り返していれば部屋はいつか片付きますし。
険悪な家族と何度もあいさつをしているうちに、どんどん関係性はよくなっていきます。
問題を消し去るのではなく、長く楽しんで攻撃してやると思うことが、実は最良の解決策だったりするのです。
時間制限もつけてみる!
さらに「1だけでもダメージを与える」に際して「時間制限をつけてみる」のも重要です。
それこそ「いまから1分だけ、この問題に対処するならどうするだろう?」と考えること。
時間があまりに長いと、気持ちがダレますし、どんどんやりづらくなってしまいます。
ミニゲームも、1分だけとかの制限時間があるからこそ、気持ちが持ち上がるものですね。
逆に「いまから2時間このミニゲームをやれ」と言われたら、「えええ」と思うはずです。
「短い時間だけ楽しめばいい」と考えることで、より気持ちは活性化しますし、「じゃあその間だけできるとするなら、こんな方法があるかなぁ」と新たな解決策も思いつくはずです。
また行動が小さいほど実行しやすいですし、それによって小さな達成感も得られます。
その達成感の繰り返しで自信が湧いていき、また次の問題においても「今度はこうやってダメージを与えてみよう」「楽しいなぁ!」と思えてくるはずです。
もちろん1分すらも長いと思うのなら「10秒」など、さらに短く設定しても構いません。あなたが動きやすくなるのなら、どんな時間でもいいのです。
どれだけ短時間でも「この問題、イヤだなぁ」と思って解決を先延ばしにする(何もしない)のより、ずっとずっとマシなはずです。ぜひ試してみていただければ幸いです。
さいごに。かのアーティスト、ジョン・レノンは、こんな言葉を残しました。
「快感とは小さな苦痛であり,苦痛とは大きな快感である」
毎日、快感こと心地いい状態だけを求めていると、まったく成長がありません。また「きょう何をしていたんだろう…」と苦々しく振り返ることにもなります。
それよりも、あえて苦痛に飛び込み、戦い、楽しんでみること。それは長期的に、本当の意味で快感な人生につながっていくはずですよ。
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