突然ですが、あなたは「眠れない日」はありますか?
あしたからまた1週間始まる休日の夜、大事なプレゼンがある前日の夜、人間関係に悩んでいる夜…「あした仕事に行くのが嫌だな」と感じて眠れなくなる人も多いようです。
株式会社R&Gが社会人の男女500人を対象に実施したアンケートによると、週1~2回以上の人が全体の7割以上にのぼり、また「ほぼ毎日」と答えた人も14.2%いて、睡眠に深刻な悩みを抱えている人も多いことがわかります。
きょうは同アンケートをもとに、眠れなくなる原因や眠れないときに効果的なことなどをご紹介します。
眠れなくなる原因は?
5位.昼寝してしまった(19人)
「日中に仮眠をとりすぎた」(30代/女性)
「変な時間に昼寝をしてしまって」(30代/女性)
適度な昼寝は「パワーナップ」などとも言われ、午後に行う仕事の効率を高めるとされます。しかし昼寝をしすぎると、夜に眠たくなりません。
夜きちんと寝るためには、「14時までに短時間(20分まで)」の昼寝にとどめておくのがおすすめです。
4位.スマホ・パソコンの見過ぎ(33人)
「寝る前にスマホをいじってしまうから(40代/男性)
「寝る前までパソコン作業をやっていること」(60代以上/男性)
寝る前にスマホやパソコンの画面は見ないほうがいいと知りつつも、どうしても手が伸びてしまう人も多いのではないでしょうか。
とくにスマホは目覚まし時計代わりとして枕元に置いておく人も多いため、触りやすい位置にある点も注意が必要です。
3位.生活リズムの乱れ(58人)
「残業で不規則な生活になったこと」(30代/女性)
「仕事の時間帯が曜日で違うので、日によって就寝時間と起床時間がバラバラなせいだと思う」(50代/女性)
交代制・シフト制勤務や残業が多い仕事だと、生活リズムが乱れやすくなってしまいます。また休日の寝だめも、生活リズムを崩してしまいます。
体内のリズムと生活のリズムがうまく合わないと、眠りにくくなってしまうようです。
2位.音が気になる(62人)
「夜勤の夫が帰ってきた音で起きてしまう」(30代/女性)
「隣の部屋がうるさい」(40代/男性)
「夫のいびき」(50代/女性)
外部からの騒音でなかなか寝つけない人もいれば、家族のたてる物音が気になるという人もいました。
「夜勤がある」などで家族と生活リズムが合わない場合には、家庭内でも音の問題が起こりやすいですね。
またストレスを受けていたり、寝る前にスマホをいじっていたりして交感神経が優位になっている場合、小さな音にも反応しやすくなってしまいます。
1位.仕事や家庭でのストレス(298人)
「仕事のトラブルが続いていたり人間関係に悩んでいたりすると、考えすぎて眠れなくなってしまいます」(30代/女性)
「家族と喧嘩してもやもやしてるとき」(40代/男性)
「仕事のプレッシャーと、今後の生活に関する不安」(50代/男性)
「職場でのトラブルや人間関係」「締め切りが迫っている仕事」「将来への不安」などがストレスになっている人が多いようです。
仕事・家庭でのトラブルなど、いま目の前にあるストレスだけではなく、漠然と将来が不安という回答が多かったのも印象的でした。
ストレスがあると、なかなか寝付けません。眠れたとしても、「すぐ起きてしまう」「ぐっすり眠った感じがしない」という人も多いのではないでしょうか。
眠れなくなる原因の圧倒的1位は「仕事や家庭でのストレス(298人)」で、全体の6割を占めました。ストレスが、睡眠に困難を抱える大きな要因だとわかりますね。
ストレス以外の要因も挙げられましたが、ストレスがあるために「感覚が過敏になり、音が気になる」「現実逃避でスマホに没頭する」といった面もあるのではないでしょうか。
眠れないときにすることは?
8位.呼吸を意識する(22人)
「数秒息を止めて、数秒かけて吐くなど呼吸を意識する」(30代/女性)
「ゆっくりと深呼吸をする」(50代/女性)
眠れないときには、リラックスした姿勢で呼吸を整えてみる人もいました。
リラックスするためには、腹式呼吸を意識するのもよいかもしれません。
7位.ストレッチ・マッサージする(24人)
「ストレッチやセルフマッサージをして、体をリラックスさせる」(40代/女性)
「耳の後ろに不眠に効くツボがあると本で読んだので、マッサージします」(40代/女性)
軽くストレッチをして心身をリラックスさせ、眠りにつこうとしている人もいました。
身体があたたまるので、冷えが辛くて寝られない人にとっても効果がありそうですね。
手軽にできるストレッチやツボ押しを知っておくと、眠れないときに使えるでしょう。
6位 考え事をする(26人)
「仕事の悩みで眠れなくなることがたまにある。考え出すとますます眠れなくなるので、ほかのことを考える」(40代/男性)
「楽しいこと、大笑いした記憶を振り返る」(60代以上/女性)
仕事や人間関係などストレスになっていることを考えるのではなく、楽しいことを考えている人が多いようです。
「次の休日に何をするか考える」「物語をつくる」など、考えを巡らせているうちに、いつの間にか寝ているという人もいます。
嫌なことを考えすぎて寝られない人にとっては、ひとつの選択肢といえそうですね。
5位.本やマンガを読む(37人)
「一度ベッドから出て、眠くなる限界まで、哲学書などの難しい本を読む」(20代/女性)
「小説を読む」(30代/男性)
「つまらない、もしくは難しい文章を読む」(40代/女性)
読みなれた好きな本を読むことで、リラックスできて眠りにつけることもあります。
また、あえて興味のない本を読み、眠気を誘うという人もいました。
ベッドは寝るための場所と習慣づけたい人は、一度ベッドから離れて読書するのがおすすめです。
4位.無理に寝ようとしない(47人)
「無理に寝ようとせずに、もう寝ないでおこうと諦める」(30代/女性)
「どうしても眠れなければ、思い切って寝るのをやめ、起きて普通に活動する」(40代/男性)
「早く寝ないと!」と自分にプレッシャーをかけてしまうと、余計に眠れないこともありますよね。
またプレッシャーが強くなることで、次の日も「きょうは眠れるかな」と考えて不安になってしまいます。
そのため「きょう眠れなかったら、あしたの昼寝などでカバーすればいい」と考え、無理に寝ようとしない人も。
「起きて朝活してしまう」という回答もありました。
3位.音楽・ラジオを聞く(74人)
「リラックスできる音楽を聴く(20代/女性)
「睡眠によいと言われている音楽を聴く」(30代/女性)
「寝ながらラジオや音楽を聴く」(40代/男性)
歌詞のない落ち着いた音楽を聴くと、リラックスして眠くなってくることもあります。
周囲の音にマスキング効果のある音をかぶせることで、騒音から受けるストレスが軽減される可能性も。
ただ寝ている間中ずっと音楽が流れていると睡眠が浅くなる可能性もあるので、タイマーなどで停止するようにしておきましょう。
2位 じっとしている(102人)
「眠れなくてもいいから、頭を休めようと目を閉じてぼーっとしています。何も考えません」(30代/女性)
「ひたすら目をつむって、何も考えないようにする」(40代/女性)
眠れなくても、横になったまま目を閉じてじっとしている人も多いとわかりました。
ただじっとしていることでストレスの原因になっている考え事が浮かんだり、焦ってイライラしてしまう場合は、一度布団を離れたほうがいいことも。
そのため「しばらくじっとしていて、どうしても眠れそうになければベッドから出る」という人もいました。
1位.スマホ・パソコンを触る(157人)
「だめとわかっていても、眠たくなるまでスマホを見てしまいます」(30代/女性)
「スマホで動画を見るなどして、気にしないようにしてやり過ごす。気にしすぎたら余計に寝れなくなるタイプだから」(40代/女性)
「いったん寝るのを諦め、スマホでネットサーフィンをします」(50代/男性)
眠れないときはいったん寝るのを諦めて、スマホで動画を見たりゲームをしたりする人が多いとわかりました。
眠れないときに「いま何時だろう」とスマホの画面で時間を確認して、そのままSNSなどを閲覧してしまう人もいるのではないでしょうか。
スマホを見ながら寝落ちする人もいましたが、スマホをいじりながら眠りにつけたとしても、眠りは浅いかもしれません…。
よく眠るために効果的だったこと
8位.薬やサプリの利用(26人)
「寝る前にリラックス効果のあるサプリメントを飲む」(40代/女性)
「睡眠導入剤の服用」(50代/男性)
「睡眠薬(睡眠導入剤)」「睡眠改善薬」のほか、「漢方」「睡眠改善用のサプリメント」を使っている人もいました。
慢性的に不眠が続いているなら、病院の受診も検討しましょう。
市販の睡眠改善薬と病院で処方される睡眠薬(睡眠導入剤)は別物で、効果にも違いがあります。
7位.リラックスできる音楽(27人)
「ウクレレ音楽を流す」(20代/女性)
「ASMRのような好きな音だけを聞いていると、寝られるようになります」(30代/女性)
「ヒーリング音楽」「寝る前用の音楽」として紹介されている音源も多いですね。
音楽ではなくYouTubeなどで人気の「ASMR」を聴いている人も。ASMRでは、お菓子などを食べる動画が人気でした。
また、雨音などの自然音や物を削る音などの効果音もASMRに含まれます。
6位.カフェインを控えめにする(33人)
「寝る前にカフェインをとらない」(40代/男性)
「コーヒーは午後3時までに飲む」(50代/女性)
「コーヒー大好き」という人が、まったくカフェインをとらないのはなかなか難しいもの。せめて夕方以降はカフェインを控えるのがおすすめです。
飲み方も「ミルク多めにして、コーヒーの量を減らす」「デカフェのコーヒーを試す」などの工夫ができます。
コーヒーは1日1~2杯だけにして、残りはコーヒーよりもカフェインが少ない紅茶や緑茶に切り替えてみるのもおすすめです。
カフェインを摂りすぎている自覚がある人は、少し工夫してみてはいかがでしょうか。
5位.お風呂の入り方を工夫(52人)
「寝る2時間くらい前にシャワー、お風呂に入る」(30代/男性)
「夕食を早めにして、入浴剤を入れた湯船にゆっくり入るとスムーズに寝られる」(30代/女性)
「ゆっくり湯船に入ると、リラックスして眠くなります」(50代/女性)
お風呂には、リラックス効果や深部体温をいったん上げる効果が期待できます。
就寝1時間半くらい前に、39度~40度のお湯に10分~15分くらいゆっくり浸かるのがよいとされていますよ。
普段はシャワーだけで済ますことが多い人も、ゆっくり湯船に浸かってみてはいかがでしょうか。
4位.リラックスできる飲み物(58人)
「寝る前にカモミールティーを飲む」(30代/女性)
「白湯を飲む」(30代/男性)
「寝る前に温かい牛乳を飲むと、睡眠の質が上がるように感じます」(40代/女性)
具体的には「白湯」「ホットミルク」「ハーブティー」「ココア」などが挙げられ、ほとんどが温かい飲み物でした。
ただし就寝直前に味のついたドリンクを飲むと、飲んだあとに歯磨きする必要があり、歯磨きが刺激になって目が覚めるというケースも。
そのため就寝1時間前までには、ドリンクの摂取と歯磨きを済ませておくのがおすすめです。
3位.寝る前にストレッチする(64人)
「寝る前にストレッチして体をほぐす」(30代/女性)
「YouTubeなどで、寝る前にするとよいストレッチやヨガをすると気持ちよく眠れます」(40代/女性)
YouTubeやWebサイトなどでは、寝る前におすすめのストレッチや快眠ストレッチが数多く紹介されています。
ぜひ検索して、取り入れてみてはいかがでしょうか?
2位.寝る前にスマホ・パソコンを触らない(65人)
「寝る前は、携帯やパソコンを見ないようにする」(20代/男性)
「寝る前はスマホから離れる」(40代/男性)
「寝る前はスマホを見ないように」とよく言われますね。実際にやってみて、効果を感じたという人も多くなりました。
ただ、見てはダメだとわかっていてもどうしてもみてしまう人も多いでしょう。
スマホを見ないための工夫としては、「アイマスクして寝る」「スマホを目覚まし代わりにせず、寝室やベッドから離れた場所で充電する」などがあります。
1位.運動して体を疲れさせる(74人)
「20分程度でいいのでランニングを行うと、夜よく眠れるようになりました」(20代/女性)
「仕事が終わってから、1時間ほどキツめの運動をします。体を疲れさせた状態でご飯を食べお風呂に入ると、眠れることが増えました」(30代/女性)
「仕事が終わってからウォーキングなどの軽い運動をすると、よく眠れます」(40代/男性)
「よく眠れるようになった」と感じる運動の強度や時間は人によってさまざま。体力や使える時間によっても、できることは変わるでしょう。
適度な運動は、ストレスで寝られない人にも効果が期待できそうですね。
ただし寝る前の激しい運動は体を覚醒させてしまい、寝つきが悪化する可能性があります。運動は、寝る3時間前までが理想的です。
夜は、できるだけリラックスを
仕事のストレスなどで、週1日以上「なかなか眠れない」と感じている社会人は多数。
眠れないときには、ますます目が冴えてしまうと知りつつも、スマホやパソコンを見てしまう人も多くなりました。
無理に寝ようとして自分にプレッシャーをかけるのは逆効果かもしれませんが、いったん諦めて起きるにしても、スマホは避けたほうがいいでしょう。
おすすめなのは、「適度な運動」や「お風呂」など。ただ運動やお風呂のやり方や時間帯によっては、寝付きにくくなってしまうこともあります。
就寝前に激しい運動をしたり暑すぎるお風呂に入ったりするのは避け、夜はできるだけリラックスして過ごせるようにしましょう。
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