失敗した時、自分に言い聞かせたい「まあいいや」の言葉

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あともうひとつ。僕が考える強みは「忘れっぽい」ということかな。僕もとても忘れっぽい人。何を忘れるのかといえば、「失敗した後の落ち込む気持ち」です。
「しまった!やっちまった」「あー、失敗したなあ」「あの時こうしておけば」という後悔で落ち込むことは、僕だってあります。でもね、数日で忘れちゃうんです。引きずらないんですよ。
もちろん反省はものすごくするので、次は失敗しないように心にしっかり留めておきます。けれど、必要以上に落ち込む気持ちはいつの間にかなくなったる。
「やっちまったー!どうしよう」という気持ちも数日で「ま、大したことじゃねーし。大丈夫っしょ」に変わってる。いちいち引きずらない、気にしない、という嫌なことはさらっと忘れられる能力がある。
反省するけど後悔しない。そして、ちゃんと落ち込んだら後は忘れる。これが僕の得意技。そして人生を楽しく生きる上では、なくてはならないもの。
そうだ、これが如実に表れた出来事をひとつ紹介しましょう。以前、リモカンでお話したらみんなが大爆笑した逸話です。
『この世の続きの物語』にもその描写がありましたが、僕は学生時代に、北海道の幌加内町というところで毎年スキー合宿をしていました。そこは格安で、競技スキーに寛容なので多くの大学が毎年合宿で訪れていました。宿泊施設もレストハウスに併設してあり、お風呂は大浴場がありました。
で、その事件はある夜、大浴場で起きたんです。僕が一人で風呂に入りに行くと、そこには他の大学の先輩後輩らしき二人がいました。僕が湯船に浸かっていると、その二人が会話してるんです。
きっと先輩は「やまだ」とか「やまもと」とか、とにかく「やま」が付く名前だったんでしょう。後輩が「やまさんは、来年も来るんすか?」と聞いたんです。それをどう勘違いしたんでしょう。僕は「山形大学さんは……」と聞かれたんだと勘違いして、何を思ったのか「あ、僕たちはですねえ」としゃべり始めたんです。
考えてもみてください。そもそも、その二人は僕とは見ず知らず。他にも複数の大学生が来てたから、僕が山形大学の学生なんて知る由もないでしょう。その上、挨拶もなしに知らない人に「来年来るの?」なんて聞く人はいないよね!
僕が突然話し始めて、彼らはびっくりしたでしょうねえ。さすがに僕もしゃべっている途中で、「あ、こりゃオレ。やっちまったな」と気付いたわけですが、ここまで勘違いしたら、途中でやめるわけにはいきませんよ。
そのまま昔からの友人かのようにフレンドリーに話しかけ続けたら、いそいそと風呂場から出ていってしまいました。きっと「なんかヤベーやつがいる」と思ったことでしょう。「こわいこわい、関わらねー方がいいぞ」と思ったでしょうねえ(笑)。
いやー、アハハ!!さすがにあの時は僕もやっちまったと思いましたよ。けどね、こうも思ったんです。「ま、いいや。どうせもう会うこともねーし」ってね(ハガネの心臓でしょ?)。
その後、数週間彼らとは同じ施設を使い、同じスキー場で滑っていたけれど、「どうせオレの顔なんて覚えてねーべ」「別に顔合わせ立って、『やあやあ!』って顔して挨拶すればいいし」くらいに、楽天的に考えていて、いつの間にかそんなこと忘れてましたもん(ただ、これをワカさんに話したら大爆笑で、今や伝説の物語になっています)。
もうね、こんなもんでいいんですよ。皆さんも、「まあいいや」ってなればいい。悪い想像ばかりして不安になるよりも、楽しみな側面を強く思って、万全の態勢で挑めばいい。失敗したって、別にその時考えればいいんですよ。そのくらいの気持ちでいる方が、心身ともに健康的だし、楽しいから。
ええ、全部僕の経験からくることですが、すべてやってみろというのは難しいとは思うけど(そりゃそうだ)。こういうバカが、意外と楽しく物事を進められたりするのだと。頭のどこかで笑いつつも、心に留めておいてもらえたらと思うんです。きっとどこかで役に立つかも……しれません。
ほんと、どうせなら楽しく。前に進みながら。出会いを楽しみながら。気持ちひとつです。絶対に大丈夫、きっとうまくいきますよ。
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