私たちが気楽に会話を楽しめないワケ
近年、「忘年会や新年会、歓送迎会のシーズンになると気が重くなる…」という人が増えているようです。
2019年末には「忘年会スルー」というワードが話題になりましたが、会社の飲み会に行きたくない理由のひとつに「普段あまり話を交わしたことがない人と、何を話していいのかわからない」というものがあげられます。
同じような理由で、長期休暇の帰省で義理の両親や親せきとの会話が億劫、という人も多いはず。
日常生活や日々の仕事のなかでも、「初対面の疲れる会話」「上司との気まずい沈黙」「盛り上がらない商談」など、気楽に会話ができないことは多々あります。
実は、私たちの多くは「友達や仲のいい人との気を使わない楽しいおしゃべり」と「仕事の場面できちんと話す大人としての会話」というふたつの会話のバリエーションしか持ちあわせていません。
ところが、いい人間関係をつくるために欠かせない「雑談」は、上のふたつに当てはまらないため、思いのほか難しい行為なのです。
雑談にはそれに適した話し方があります。
今回は、その秘訣をカンタンに学べる書籍『超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける』を紹介します。シリーズ70万部突破で大注目のコミュニケーション・アドバイザーが、誰でも雑談の達人になれる最強のコツを教えてくれます。
会話の常識は、雑談の非常識
- わかりやすく結論から話す
- 数字やデータを用いて論理的に話す
これらは一般的に上手な話し方とされているものです。
しかし雑談の場合、この話し方では一瞬で会話が終わってしまいます。雑談の目的は、会話を通じてお互いの警戒心を解き、スムーズで円滑な関係にシフトすることにあります。ですから、頑張って面白い話をする必要などはなく、「結論」や「オチ」も必要ありません。むしろ、あってはいけないわけです。
雑談は、「オチのない話を苦笑交じりにする」「結論のでない話を堂々巡りで繰り返す」でいいのです。
お互いにそうやって話すことが「一緒に会話をしている」という実感を生み、「関係が深まった」という安心感につながっていきます。
大切なのは「内容」ではなく「ラリー」。とにかく続けばいい、それが雑談の基本です。
×情報交換をする 〇気持ちをやりとりする
人が集まると、とりあえず情報交換にいそしむ人がいます。
しかし、調べれば誰でもわかる情報よりも、「気持ちいい」「困った」「楽しい」「やめられない」といった自分が感じた生の気持ちを共有する方が効果的です。
例えば、ゴルフの話題で「どこどこ社製のクラブがいい」という情報よりも、「クラブがしっくりくると、ほんとに気持ちよく打てますね」という気持ちが伝わる会話のほうが、より親密な関係が築けるものです。
同様に、時事ネタやニュースを話のきっかけにしてしまうと、思いのほか会話が上滑りしてしまい、生の感情を話しにくくなります。それよりも、自分自身のエピソードや体験談を話すほうが自分の気持ちを乗せやすくなるものです。