みなさん、こんにちは。夫婦、家族のカウンセリングサイト「Foo-cen」代表・吉原です。
2021年、中学に入学した下の子(12歳)は、4月からスマホを持ち始めました。お兄ちゃんは高校性になるまで我慢していました。ちなみにお父さんは51歳まで我慢しました!(笑)
でも年々周りの環境も変わり、下の子の友達の連絡はもっぱらLINE。ずっと「キッズケータイ」だった彼はLINEどころか、決まった人にしか電話も掛けられず、あまりにもかわいそうだということで吉原家としてはかなり前倒しで持ち始めたわけです。
だけど持ち出すと、やっぱり四六時中手放せなくるわけで…。
「あんたぁ~(怒)もうスマホ取り上げんで!」と何度もお母さんに怒られています。ただ、子どもだけではなく仕事もまた社会生活も、いまはスマホがあることが前提で運用されていますよね。
ということできょうは「SNSとの適度な距離の取り方、考え方」について書いてみました。みなさまの心の元気や健康のヒントになれれば嬉しいです。
SNSとの距離
ホームページを作ったり、メルマガを配信したりはしていますが、実は僕がスマホを持ったのも2年ほど前。SNSのことをよく理解していたり、駆使しているとはまったく言えない存在なのです。
でも最近、カウンセリングでお聴きしているさまざまなお話のなかで、みなさんが使っているLINEやFacebook、InstagramなどのSNSで、すごくしんどくなられていたり、苦しんでいらっしゃることがとても多いように思います。
そこで「解っていない者」が少し的外れなことを言っているかもしれないということをご容赦いただいたうえで、僕の感じるSNSとのほどよい距離の取り方について少し聞いてください。
- 目次
- 沈黙の時間の苦悶
- 沈黙の時間に感じているものは自分の心のなかにあるもの
- 少しいい加減なほうがいい
- それでも傷ついたときは、まず自分の心のケアを
- SNSとの距離
沈黙の時間の苦悶
僕たちは、実際に会っているさまざまな人間関係で、相手の状況や相手の自分に対する気持ちを、たくさんの情報から感じたり察したりしています。
たとえば、きのう少し意見が合わなかったこと、喧嘩したこと、言ったことに対して相手がどう感じているのかということを、顔を見たときに相手の表情や話題、声のトーン、態度などたくさんの情報から感じ取るでしょう。
そこで相手は気にしていないんだなと感じられたり、また少し怒っているなと感じたり、昨日のことは許してくれているんだということを感じ取れているのです。
でも言い合いをしたあと。ひとりになった夜は何を考えていましたか?相手が見えない、相手の情報の得られない時間に、相手のいろんな気持ちを想像し、ときには苦悶します。
そう、SNSではときに、ずっとこの時間を経験し続けているのではないでしょうか。
「LINEが既読になっているのに反応がない」「いつもメールはすぐに返してくれるのにきょうは…」「いいね!がつかない」など、リアルな関係だと目の前にいないときには、相手が見えないし、反応がなくて当たり前ですが、SNSは常に瞬時に反応ができるツールだから、この反応のない沈黙の時間にずっと相手のことを想像してしまう。
また返事や反応があったとしても、「わかりました」という言葉でだけでは、機嫌よく返事をくれているのか、怒っているのか、仕方なしに返事したのかがわかりません。
リアルに会っている世界に比べるとあまりにも情報量が少ないのです。だから感情や気持ちを絵文字などを使って補完しますよね。
SNSは、いまこの瞬間に何かを伝えたり、24時間コミュニケーションができるツールではあるけれど、相手の状況や気持ちなどを正確に読み取れる情報が極めて少ないツールなのだということを知っておくことも、自分の心をストレスから守るためには大切なことだと思うのです。
沈黙の時間に感じているものは自分の心のなかにあるもの
SNSで相手の反応がないとき、また相手の気持ちが読み取れないとき、僕たちが経験しているものは実は自分の心のなかにあるものなのです。
自分がかけた言葉が相手にどう伝わっているのかは、本当は解らないですよね。では、沈黙の時間に体感していた現実は何だったのでしょうか?
僕たちの心のなかには、罪悪感、無価値感、至らなさなどいろんな感情が存在しています。沈黙の時間には、そうした自分の心のなかにある感情を通して相手の気持ちを想像しているのです。
また心のどこかに自分は愛されない、大切にされる存在でなないと感じていたら…それをもとに、頭のなかに想像の現実を創り上げてしまいます。実はこれもSNSの世界に限ったことではなく、リアルな世界でも相手の気持ちを想像するとき、同じようなことを体感しています。
もちろん、自分が感じていることのなかには、実際に相手が持っている気持ちと合致しているものがあるかもしれません。
でも、相手の気持ちを想像して頭のなかがぐるぐるしてしんどくなってしまったときには、沈黙のときはいつも自分の心のなかにあるものを通して相手の気持ちを想像しているということを思い出せれば、自分を取り戻して少し冷静になることもできるのでないでしょうか。