家族の介護でもっとも大変だったことは「排せつまわり」
これまでの調査結果を踏まえると、世の中では親の老後に漠然とした不安を持っていたり、家族の前で介護の話題に触れられなかったりする人が多いことがうかがえました。
では、実際に介護を経験した人はどのくらいいるのか。また、経験した人が、家族の介護で大変だったことはなんでしょう。
まず、家族の介護をした経験について調査すると、家族の介護をしたことのある人はおよそ15%という結果に。(15.4%)
次に、家族の介護をした経験のある人に、もっとも大変だったことを尋ねると、「排せつまわり」(31.2%)、「移動を手伝うこと」(28.6%)という回答に票が集まりました。
「介護サービス」の満足度は9割超
また、家族のために「介護サービス」を利用した経験とサービスを利用した感想を聞いてみたところ、家族のために「介護サービス」を利用したことのある人は約11%と低かったものの、利用経験者の9割以上の人は「利用してよかったと思う」(96.6%)と回答しています。
介護サービスを利用して良かったと思うこと
家族だけではできなかったケアをしてくれた
- 「お風呂にも入れてもらえる。自宅では、親をお風呂に入れるのは難しい」(50歳・女性)
- 「自分ができないことをサービスでしてもらえる」(55歳・女性)
家族に身体的・精神的余裕が生まれた
- 「やることがたくさんあるなかで、自分だけではいっぱいいっぱいでしたが、介護サービスの方に手伝ってもらったことで精神的にも肉体的にも余裕ができて、利用して本当によかったです」(32歳・女性)
- 「金銭的に余裕が無くても、ケアワーカーの方が熱心に相談に乗ってくれて心強かった」(51歳・女性)
介護を受ける本人にもよい影響が見られた
- 「(介護を受ける)本人がデイサービスなどで活動的になれる。 入浴や排泄を手助けしてくれることで、家族の負担が減る」(52歳・女性)
- 「デイサービスを利用しているが、(介護を受ける)本人の気晴らしになっている」(56歳・女性)
ソラストの担当者は、「介護を経験された方の中には、『自分たちでしっかりと親の介護をしなくては』という強い責任感から、精神的にも身体的にも疲れ果ててしまい、思うような生活ができなくなってしまうケースもあるようです。
今回の調査では、まだご家族の介護、そして介護サービスの利用を経験されていない方が大半を占めましたが、介護サービスを利用された方の満足度には高いものがありました。
自治体の窓口やケアマネジャーなどに相談し、ときにはプロの介護スタッフの力を借りることも必要かと思います。
介護保険は、介護を必要とする人を社会全体でサポートするために始まった制度です。制度を利用することを念頭に置きながら、1年に1度でもご家族で親の介護について会話する時間をつくってみてはいかがでしょうか」と話しています。
歳を重ねると誰もが老後を迎え、介護をしたり・されたりするときが訪れる可能性があります。不安な中でも向き合っていくために、日頃から親子で今後の老後や介護を受けるかもしれない将来について話す場を持つことが大切なのかもしれませんね。