怒らない子育て
先日、娘にいわれました。「ママは怒ったことがないよね」と。「いや、あるでしょ!」というと、「怒るけどさ、自分に怒っているでしょ。私には怒っていないでしょ」と。
実は私は、娘が生まれてからずっと「怒らない子育て」を実践してきていました。親に怒られて育てられた思いが強く、家庭の中では萎縮してきたので、自分と同じような思いを娘には経験させたくなかったのです。
当然のように子どもを怒ることが「バツ」で、子どもを誘導することや優しく諭すことが「マル」だと思っていました。
しかし娘が成長するにつれて、どんどんと苦しくなっていったのです。思うように動いてくれないとき、怒ってコントロールすることだけは絶対にやりたくありませんでした。
でも、不思議ですね。私の心に余裕がないときほど、娘は私のいうことを聞いてくれない。そうすると、自分のなかで抑えてきた「怒りの感情」が一気に爆発してしまう。そして、泣き叫ぶ娘の声で我に返り、強烈な罪悪感と自己否定の感情に襲われていました。
そんなときに、「エイブラハム理論」に出会いました。嫌な気分のときは、本当の自分と調和がとれていないとき。娘にイライラするときは、本当の自分と調和がとれていないとき。私は自分に対して、なぜこんな怒りを抱いているのだろう?そう思いながらコツコツと本当の自分と対話を繰り返していくようになりました。
そしたら、心が少しずつ軽くなっていったのです。怒りの感情が湧いたとき、罪悪感や自己否定の感情に襲われることが少しずつ減っていきました。娘に対してイライラが増し怒ってしまった後でも、こういい続けてきました。
「いま、ママは怒っているけれど、あなたに怒っているわけじゃないの。自分自身に対して怒っているの。ママが自分と調和していないから怒っているの。これはママの問題なの。あなたには全然関係ないのよ。怖かったよね。ごめんね。ママはあなたのことが大好きだからね」
そして自分の中で答えを見つけたら、それもちゃんと娘に話していました。
気づけば娘を怒るということがほぼなくなり、娘の中では、過去の怒られた記憶も「あのときはママが本当の自分と調和していなかったから」と受け取ってくれるように変化していたのです。
「本当の自分と調和する」ことのタネを植え、この3年間コツコツと実践を続けてきたら、いつの間にかしっかりと育っていました。
こんなにも自分の心が解放されるとは実践当初は思ってもいませんでしたが、結局、人の感情に良いも悪いもまったくなくて、感情は「本当の自分」と調和しているか否かのバロメータでしかない、ということなのですよね。
だから「怒らない子育て」とか「褒める子育て」とか「子どもに対してどうあるか?」ということが大事なのではない。自分がが「本当の自分」と調和していることがとても大切なのです。
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