グローバルで見る「HELP」のサイン
DVや児童虐待が本格的になり、パートナーに常に監視されている状況では、さらなる被害の拡大を恐れて助けを求めるのが難しい状況に陥る場合があります。
そのような危機的状況への助け舟として、各国では隠語やサインで「HELP」を伝える手段を構築しています。
残念ながら日本ではジェスチャーで助けを伝える制度は確立されていませんが、知見があれば誰かを助けられる機会があるかもしれません。
フランス
パリでは家庭内暴力を受けた被害者が利用できるシェルターを増設し、積極的にDVおよび児童虐待撲滅に向けて政府が動いています。その活動の一部として政府と薬剤師団体が連携し、ある合言葉を店員に伝えると店員が警察に通報するシステムを構成しています。
- 参考:CNN NEWS
スペイン
フランス同様にスペインも薬局で「Mask19を買いに来た」と伝えると通報される仕組みを構築。DV加害者が隣にいても助けを求められる画期的な方法です。
- 参考:CNN NEWS
カナダ
DV救出支援財団がハンドジェスチャーによるSOSサインを普及させています。そのサインとは、親指を曲げた状態で手の平を見せ、その後に握りこぶしにするという至ってシンプルな方法。
誰かと対面で会った際はもちろん、オンライン通話中などパートナーの監視の目を盗んで助けを求められるよう、サイレントジェスチャーが起用された背景があります。
イギリス
イギリスでは、元DV被害者の女性がサイレントヘルプを提示する「ブラックドットキャンペーン」を5年前に立ち上げました。これは、手のひら中央に黒いペンで大きめの丸を描いて他人に見せることで「DVを受けています」と伝えられるシステム。国境を越えてアメリカにも浸透しつつあるサインのひとつです。
海外では不要な外出は罰金の対象となる場合があるため、外部にSOSを発信できない環境下に置かれている被害者が日本よりも多いのが現状です。もしあなたがサインを見つけたら、迷わず警察に通報しましょう。