「こんなことをいったら嫌われるかも」「機嫌を損ねてしまったらどうしよう」「怒らせたら嫌だな」
…いろんなことが頭をよぎって、喉まで出かかっていた言葉をグッと飲み込む。もしくは、つい反対の言葉を出してしまう。本当はイヤなのに「いいよ」とか、本当は好きじゃないのに「好きだよ」とか。そういう経験がある方は少なくないのではないでしょうか。
弱さではなく、やさしさ
「どうも私は弱くて…」そんな風に自分を情けなく思っている方もいらっしゃいます。まずひとつ伝えておきたいのは、それは「弱さ」ではなく「優しさ」だよということ。優しいんですよね。相手に嫌な思いをさせることが耐えられない。そうするくらいなら、自分が我慢したほうがマシという。
「相手を思いやっている風を装って、実は自分を守っているだけ」とか「自分がかわいいだけ」「悪者になりたくないだけ」とか、そんなことを言っている人もよく見かけます。それもそうなのかもしれません。でもね、それでもやはり、その根底にあるのは「優しさ」なんですよね。
たとえば、「相手がどう思おうがまったく構わない」「相手のことなどどうでもいい」と思っている人は、きっといいたいことを我慢したりなんかしないでしょう。相手が傷つこうが怒ろうが嫌な思いをしようが、そんなこと関係ないのですもの。
「そんなことより自分がいいたいことをいう方が大事。都合が悪ければ無視してしまえ」それって、そちらの方が自分を守っているだけともいえますよね。「自分>相手」だからこそなせる技です。
「いいたいことはいわなきゃ伝わらない」これは、私がコミュニケーションを伝えるにあたって1番大事にしていること。でもそれは、いいたいことは相手がどう思おうがいえばいいということとは違います。
もちろんいいたいことは、いっていい。でも、そこには「あなたと同じように、心を持った相手がいる」ことを忘れない。それってものすごく重要なことだと考えています。
相手のことを気にかけることは悪いことじゃない。「必要以上に」やってしまうから、辛くなるのです。相手を大事にしつつ、ちょっとだけ、自分をもっと大事にしてあげる。「自分>相手」でも、「自分<相手」でもなく、「自分≧相手」くらいが丁度いいです。