近年よく聞くようになった「毒親」。これはアメリカの医療関係コンサルタントでありグループ・セラピストのスーザン・フォワードが作った言葉で、子どもに悪影響(毒)を与える親や、子ども自身が厄介だと感じるような親のことを指しています。つまりは「毒になる親」の略語ですね。
こういった毒親育ちなど、不遇な家庭環境の影響下で育った人は、ネガティブな感情やそれによる弊害を抱えてしまうことがあります。しかしそういった環境下で育ったとしても、自分に自信を持ち、幸せに暮らしている人もいます。
両者の違いは何でしょうか?後者には共通する「3つのポイント」があることがカリフォルニア大学の研究でわかっています。きょうはその3つの要素をひとつずつ見ていきたましょう。
不遇な家庭環境の影響を取り払う「3つのポイント」
- 自分の強みを意識して活かす
- 信仰や祈り、友人関係、師弟関係など長期的かつ個人的な繋がりによる信頼関係がある
- 個人的に没頭できる趣味がある
こうした家庭環境以外の要素によって、「幼少期の家庭環境は大人になってからの人格形成を決定づけない」ことがわかっています。
1.自分の強みを意識して活かす
「強み」といっても、ズバ抜けて人より秀でたものを指しているのではありません。もっともっとシンプルなことです。
それは「いまをしっかりと生きる」ということです。いま、あなたがやっていること、やれていることは、実はすべてある意味「強み」なのです。
あなたにとっては、「当然」だと思うかもしれませんし、「ほかの人よりも劣っている」と思ったとしても、ここでいっている強みとは「他者と比較健闘した結果」を指しているのではなく、「いまのあなたにできること、やれていること」すべて強みだという考え方です。
そういう意味で、「いまをしっかり生きる」ということは、いま自分の目の前にあることにしっかりとフォーカスを当て、「これはできているな」と意識しながら日々生活するということ。
世界的な名著『7つの習慣』(スティーブン・R. コヴィー著)の表現を借りていうなら、「影響の輪(自分でコントロールできるもの)」だけに、まずはしっかりとフォーカスし続けるということです。
2.信仰や祈り、友人関係、師弟関係など長期的かつ個人的な信頼関係がある
ありのままの自分を否定や批判なく受け入れてくれる存在としての「信仰」や「友だち」、「メンター」がいることで、「第二、第三の母なるもの」の存在を感じることができます。メンタルトレーナーである僕の経験からいうと「ペット」「ぬいぐるみ」なんかもここに入れてもいいかと思ってます。
ただし、自分のことを本当にわかってもらうためには、まずは本当の自分をさらけ出す勇気を持って行動することが欠かせないし、勇気を持って行動した結果、たとえ受け入れられなかったとしても、「受け入れられなかったという事実を受け入れる覚悟」も必要です。