「聞く力」は目の前の人を認める力
いい換えれば、聞く力があるだけで力は発揮されるんです。そもそも、人間って自分を客観視することは基本的にはできません。自分で自分の日常の動画を回すと笑い方や、仕草や、表情なんかが驚くほど気持ち悪い気分になるくらい、自分のことはわかっていません。
でも聞く力がある人は、それを人から聞くこともできるわけです。「キミにはこういういいところがあるよ」と。「キミには誰にもないこういう部分があるよ」と。文章も同じく、書ける人は読める人です。
1度意識して飲み会や複数の人数が集まる場でのコミュニケーションを観察してみてください。必ず、人の話の最中に口を挟む人がいます。そして話してた人は、話したかった着地点に着地できないまま何を話していたか忘れます。その人は次の飲み会も、その次の飲み会も同じことを繰り返します。
逆に、いろいろな人が話せるように聞き上手な人がいます。合いの手を入れたり、頷いたりね。よく見ているとわかるけど、聞く力がある人は、ずっと進化します。聞く力って凄いんです。
しかもこれは才能じゃない。「目の前の人は素晴らしい存在だ」そう思うだけで、聞く力を格段にあげることができる。だって目の前に神様が現れて、話し始めたら「一言一句聞き逃すか!」と聞くもんね。天国に行った大好きな人が、いっときだけ現れて話し始めたら「一言一句聞き逃すか!」と聞くもんね。
そう、聞く力とは「目の前の人は素晴らしい存在だ!」という気持ちのことなのです。それがあれば、スマホを見ながら聞くこともなく、きょうの晩御飯のことを考えながら聞くこともなく、批判ばっかり考えながら聞くこともなく、自分自身が素晴らしい存在になっていく。
というわけで、「この力だけは絶対に手に入れろ!」と思うのは何をめざすにしても「聞く力」です。きょうも話を聞いてくれてありがとうございました。
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