夫婦用の貯蓄は必要か?
Aさん「課題ばかりのわが家だけど、いまは私もフルタイムで働いていて、貯金できるだけの収入があるし、ほしいものは買えている。たまに贅沢もできているから、まあいいかなって。
夫が毎年昇給したり手当がついたりして収入が増えていることはわかっているんだけど、また言い合いになったり疑心暗鬼になるのはイヤだなって思って、家庭平和のために敢えて触れないようにしてるんだ。
私が土日に仕事のときは夫が子どもたちを連れ出してくれているから、そこそこ遊ぶお金も必要だろうし、趣味グッズは自分で買っているみたいだし、家の家具や旅行代などそのとき必要なものは出し合っているし…。お互いに自由に使えるお金があって干渉し合わずギスギスしていないいまの感じがちょうどいいのかなって」
本当にこれでいいのかはわからないといった感じで歯切れの悪いAさんに、「今後、家をリフォームしたり、大型家電が壊れて買い替えたり、子どもの入学金などでまとまったお金が必要になったときにどうするのか?」を聞いてみたところ、はっ!とした様子で、「やっぱり夫婦用の貯蓄は必要だね。夫と話し合っていくらかずつ積み立てるようにしなきゃ…!」と改めて家計について夫婦で話をすることを決意したようでした。
夫婦のいいバランスとは?
専業主婦(夫)世帯や一方がパートタイムで働いている世帯と比べ、共にフルタイムで働いている世帯は、家計・家事・育児の分担の割合において、どちらかが不公平感を抱きがちなのかもしれません。
収入が少ない方がより多くの家事・育児を担っている夫婦(筆者の周辺だとこのパターンが多い)であれば、まだ納得できる部分があるのかもしれませんが、どちらか一方が家計も家事・育児も多くを担っている場合、不満を感じてしまうのも無理がないことです。
Aさんは、「結婚前はお金の話をしづらくて避けていたけれど、キチンとお互いの収入をオープンにして、結婚後の家計や家事・育児の分担についても話し合っておくべきだった」といいます。「結婚後にお金のことでだいぶ揉めて、夫への信頼はガタ落ちしたし、心の距離はできたと思う。子どものために離婚しようとは思わないけどね」。
「金の切れ目が縁の切れ目」とはよくいったもの。Aさんの夫がなぜ収入をオープンにしないのか(あるいは本当に申告している金額なのかもしれませんが…)がクリアになり、両者がいいバランスで生活していけるようになることを、友人として願うばかりです。