夫の収入でほぼやりくり「自営×会社員夫婦の家計事情」
次に話を聞いたのは、夫は自営業、妻は会社員(時短勤務)のBさん夫妻。収入に波がある夫と、毎月決まった額が入ってくる妻の家計分担・管理の仕方とは?
B夫妻(結婚10年目)
- 夫:37歳・自営業
- 妻(話を聞いたBさん):37歳・会社員(時短勤務)
- 子ども:3人(小学生、未就学児2人)
- 住居:賃貸
「夫は自営で人付き合いが多く、その分毎月出て行く額もそこそこあるんだと思う」と話すBさん。夫の収支を把握している様子はありませんが、どのようにして家計を分担、管理しているのでしょう?
妻の収入=子どものための貯金
Bさん「わが家では、家賃、保育料、公共料金、通信費、食費、雑費といった生活費の多くは夫が負担してくれていて、毎月決まった額を決まった日に口座に振り込んでくれているんだ。私が負担しているのは、子ども3人の学資保険と習い事代、自分と子どもたちの服や雑貨かな。残りは貯金したり、投資に回したりしているよ。
とはいっても、夫が入金してくれるのはざっくりと“これくらいでしょう”といった概算の金額だから、月によっては大幅にオーバーしていることもある。家庭に関するものはお互いに夫婦共通のクレジットカード(妻の口座から引き落とし)で買い物をしているから、あまりにも引き落とし金額が多かったときや旅行に行ったとき、大きな買い物をしたときなどは追加でもらっている感じかな」
共働きであるにも関わらず、夫の家計負担が多いようにも思いますが、子どもが幼いうちになるべく教育費を貯めておきたいという理由から、家賃を抑え、妻の収入の多くを貯蓄に回しているといいます。
Bさん「それに夫は自営業で収入に波があるから、何かあったときのためにまとまったお金がないと困るかなって。本当は私の収入を丸ごと貯金に回せたらいいんだけど、そこまでは無理みたい。あとは私自身、何かしら家族のために負担したいって思いもあるんだ。養ってもらうのはイヤだし、仕事も『家族のために頑張ってる』と思うことでハリが出る気がして」
彼がいくら稼いでいようが興味がないワケ
そんなBさんに、「妻が貯蓄しているお金は夫と共有のものなのか?」を聞いたところ、「もちろん」という返事が返ってきました。
Bさん「かといって、夫が稼いだお金は全部家族のものだとは思っていなし、全額吸収しようだなんてまったく思ってない。そもそも彼がいくら稼いでいるか知らないし、そこに興味はない。夫に私の収入を聞かれたこともないよ。
相手が頑張って得たお金なんだから、家族の生活に必要な分を出してもらったら、あとは夫がどう使おうと自由。その方が彼も頑張る意味があるでしょう?家計管理のやり方としてはよくないと思うんだけど、私はそんな考えなんだ。夫はある意味人脈がモノをいう仕事をしていて、付き合いだの接待だのでそこそこの金額が出ていってそうだからというのもあるけれど。
きっと効率的に貯蓄をしている家庭は、どちらかが夫婦の収入をすべて管理して、ムダなく使ったり貯蓄したりしているんだろうけど、なんとか家計も回っているし、貯蓄もできているから、いまはこのスタイルでいいかなって」
妻に管理されることを嫌う夫からすると“妻の鑑”のような回答をしてくれたBさんですが、「多分そう思えているのは、彼が仕事で使う分以外の家計の収支を自分で把握できていることと、自分の収入をちゃんと貯金できているからかな」と話します。ゆとりある心でいられるのは、自分の納得のいくやり方で家計を管理、分担し、しっかり毎月の貯蓄もできているからなのでしょう。