母親のヒステリックな声に、もううんざりだった
喧嘩の元は父親。父親は、商売が失敗してから、ギャンブルにはまるようになりました。それによってまた、お金に苦しくなる。そして、家で大喧嘩。母親はヒステリックな声を出して父に対して、怒鳴り散らしていました。ほぼほぼ悪いのは、父親なんです。
でも、そのヒステリックな声を聞くのがもう耳障りで仕方がなくて。ぼくのストレスも、MAXな状態だったこともあり。
夜のバイトから帰ってきたところで、また喧嘩が始まっていました。
それを見てすぐに堪忍袋の緒が切れたぼくは「ええ加減にせえよ!お前がキーキー喚くから、喧嘩が酷くなるんやろ!もう黙っとけや!!!」と、背中を一発、殴ったのです。
でも、その瞬間、ぼくの心がとても痛みました。
そして、涙が溢れてきました。
殴った背中から拳を通して母親の心からの悲しみが瞬間的に伝わってきたからです。
「なんで、こんなことしたんだ……」
ふと我に返った次の瞬間。母親を見ると嗚咽しながら、泣き崩れていたのです。
それ見るとさらに涙が止まらなくなり、ぼくはその場にいられなくなって家を出て行きました。
どちらかというと、ぼくは母親の味方をする方だったので、そんなぼくが怒りに震えて殴ったことが打撃の痛みよりも「自分の心の支えがいなくなった心の痛みとして」母は絶望的になり、泣き崩れたのだと思います。
そんなことをするはずがないと思って一番信頼していたのが母親にとっては、ぼくだったから。
それが、拳から伝わってきました。
その感覚を得たことで、ぼくの人生観は変わりました。
もう、こんな心が傷むことは、二度とやりたくない。
その気持ちが、今の伊藤勇司を形作っていますし、人生において一貫して大切にしたい人間関係の関わり方の軸になっています。ぼくがいつも楽しく過ごしたいなって思う裏には、こうした原体験があるから。
仕事は、自分の過去を清濁併せ呑むと、人に価値が伝わる発信ができるようになります。
黒歴史は、できるだけ、人に言いたくないですよね。でも、そんな自分も、確かに存在していた自分。そこを受けるれることが才能開花にも、大きく関係する。
これまで生きてきたあなたの人生のすべては個性と魅力に変わるもの。自分の嬉しいが、いまいち分からない人は、「自分の悲しい」から逆算すると、本当の嬉しいが見えてきます。
あなたの嬉しいが、どんどん広がる生き方を、大切に。
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