感情に「正しい」や「まちがい」はない
なぜいまこんな話をしているかというと、最近「人間関係で相手を傷つけてしまったのではないか?」とか「また周りの人にどう思われるかが気になって自分を表現するのが怖くなった」そんなお話やストレスについて聞くことが少し多くなったような気がするからです。
SNSというツールの広まりも、その一端を担っているのかもしれません。
たとえば、誰かに理不尽な態度を取られたり言われたりすれば、普通は相手に対して自然に怒りを感じるでしょう?「なんでそんな態度を取られないといけないんだ(怒)」って。
でも僕たちはときどき、「自分が何か悪いことをしたからかも」と感じてしまうことがあります。
すると心のなかでは、自分の怒りを「正しくない」として抑圧してしまう。でもまたしばらくすると「それでも相手のあの態度は許せない」と怒る。
こんなことを心のなかで繰り返しながら、少しずつ自分のなかの怒りも解放され、徐々に平常心にと戻っていけるわけです。
ただ「自分が悪い」という気持ちがあまりにも強いと、怒りを押し込めたままになってしまって、ずっとそのことで頭がいっぱいになったり、眠れなくなったり、また心が停止してとても苦しい状況になってしまうこともあります。
こんなとき、カウンセリングではまず怒りを感じたり、解放することをします。
実はこのときの「自分が悪い」と感じてしまう気持ちは、心理学的には心のなかの「罪悪感」が影響しています。
罪悪感は誰にでもある感情(痛み)なのですが、強く感じているとそこばかりに目がいってしまいがち。罪悪感を癒す方法についてここで特筆しませんが、必要なかたはカウンセリングやお問い合わせを利用してみてください。
先ほどの僕の友人のことを思い出してみましょう。感じる気持ちが強い弱いの差はあっても、彼女の心のなかにも罪悪感がないわけではありません。でもきっと彼女なら、自分の気持ちや感じたことを否定しないと思うのですね。
相手にその気持ちを伝えるかどうかは、ときと場合によりますが、自分が怒っていることに対して「怒って当たり前」だと感じていると思うのです。
僕たちの感情に正しいやまちがいなどありません。感情に正当性がある・正当性がないもないのです。間違っていても腹が立つことは腹が立つのです。それが感情です。
「彼女のように何でも言えるようになりましょう」という話ではありません。ただ、もう少し自分の感じていることを信じてあげようとすることはできると思うのです。
理不尽なことをされたときに感じる怒りももちろんですし、普段あなたが周りの人に対して感じること、好きや嫌いも鬱陶しいも、普段あなたが感じていること、楽しいと感じるもの、嬉しいと感じること、喜びを感じるものも、それがあなたの感性だし、そう感じることがあなたの個性なのです。
子どものころ、「そんなふうに感じるのはおかしい」とか「やめなさい」と怒られて違和感を感じたことはありませんか?いま、あなた自身が自分に同じようにならないでほしいのです。
誰よりもまずあなた自身があなたの感情を信じて大切にしてあげてくださいね。
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