H君の教科書の読み方
H君の読み方は次のようになります。
1回目
まずは教科書をじっくり読みます。そして、難しいところやわかりにくいところは、繰り返して数回読みます。このようにして一通り読み、内容をおおまかに理解します。そして同時に、何を覚えなければならないか、どれくらい覚えることがあるかを把握します。
2回目
次にまたはじめから読みます。今度は大切な用語を覚える(暗記する)つもりで読みます。読みながら、大切な用語が出てきたら、それを「いま覚える(暗記する)」ために、その用語や用語の前後を何回も読みます。
そして「2回目」の読み方を、3回目、4回目…と繰り返します。
ただ読むだけですから、飽きてしまったり疲れてしまったりすることもあるそうです。そのようなときは、教科書の図や絵を見たり、ページ全体を(文章を読まずに)眺めたりするそうです。
以上がH君の読み方です。
H君の勉強法のメリット
H君は、「試験のときは、教科書の文字が頭の中に浮かんで解答することができます」と、話してくれました。
またときには、「この用語は教科書のページの右上に書いてあった」とか「この問題は教科書の左のページに書いてあった」などと思い出すこともあるそうです。
H君は、頭だけでなく視覚もフルに使って効率よく暗記しているのです。しかも、ただ漠然と読むのではなく、目的をしっかり持ちながら読んでいるので、さらに効率がよくなるのです。
ちなみに、H君は「記憶力が特に優れた生徒」というわけではなく、ごく普通の生徒でした。社会科や理科のような暗記関係の科目は常に高得点でしたが、ほかの科目は平均レベルだったのです。
H君の工夫した「ただ読むだけ」の学習方法は、私にとって意外でした。
「読むだけではなかなか覚えることができない」という先入観がありましたが、H君のように、「今回は内容を把握するつもりで読もう」とか「重要な用語を暗記するつもりで読もう」と目的を持って読むと、暗記するのもそんなに困難ではないようですね。
無料メルマガ「賢い子が実践!成績を上げる秘訣」では、もっといろいろな例、例えば教科ごとの効率よい学習方法、親御さんがどのようにお子さんに接すると効果的か、など紹介していきます。ぜひご登録くださいね!
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。