みなさま、こんにちは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。
きょうは、不登校のタイプのひとつ、「発達障がいを伴うタイプ」についてお話します。
「発達障がいを伴うタイプ」とは
このタイプは、
- 自分のペースを持っているため、合う活動には積極的になれるがそれ以外のことには消極的
- 理解することに時間がかかるため、苦手科目は極端に嫌がり集中できない
- クラスメートとうまくコミュニケーションが取れず、人間関係がうまくいかず、孤立したりする
- 課題に直面したり、傷つく出来事があったときに、葛藤や怒り、気持ちをうまくコントロールができず、パニックを起こすことがある
という特徴があります。
「学校がおもしろくない、合わない、疲れる、友達から嫌なことばかり言われる」など、学校への不満や孤立している自分についての不安感がみえるようになり、徐々に登校を渋るようになってきます。そのため、親は子どもが安心して学校に通えるよう環境を整えていく必要があるのです。
そしてなによりも発達障がいの場合は、まず「子どものマイルール(特性)を知ることが大切」です。
- ASD(自閉症スペクトラム障害)
- ADHD(多動症)
- LD(学習障害)
- 軽度の知的障害
など、子どもによって診断名は違うかもしれませんが、これはあくまで目安であり、その特性がそのままというわけではありません(一人一人がオリジナルの個性を持っています)。
なので、診断名にとらわれず、子どものマイルール探しをしながら、「子どもに一番あった接し方・声掛け」を見つけていきましょうね。
また、発達障がいがある場合は、「子どもの発達障がいを周囲に受け入れてもらうこと」これが最重要点になってきます。
両親が子どもの発達障がいを受け入れ、学校の先生やクラスメート、習い事でもきちんと理解してもらい、適切な対応をとってもらうことがとても大切になってくるので、子どもの「マイルール(特性)」を見つけたらそれを整理し、伝えてくださいね(子どもが過ごす場所全部に伝えていくことが大切です。家ではできているけど、学校ではできていない…だと、子どもが混乱してしまうので注意しましょう)。
発達障がいを持つ子どもの不登校で注意するべき点は、
- 集団のなかで不適応を起こしやすいので、問題が起こったときにはまず本人の気持ちを受容・共感し、納得がいくように繰り返し相手の気持ちを説明する
- 発達障がいがある子どもは、友情・愛情など目で見えないものを理解することが難しいので、相手の気持ちや立場などをわかりやすく何度も伝えていく必要がある
- できないことや苦手なことばかりに注目せず、得意なことや、やる気・興味に合わせた活動をさせることで、本人が自信を育てるようにする
- 学習は子どもによって理解の仕方が違うので、既存の方法での学習スタイルにとらわれず、本人のわかりやすい勉強方法に切り替える必要がある
- 場合によっては、発達障がいの指導実績のある個人塾、フリースクールなども検討する
- 社会的自立を目標にし、子どもの特性を活かしながら、できないことろは補い育てていく
ことに注意しながら、接してみてください。
このときに、必ず「あなたのマイルール(特性)は素敵な個性なんだよ。そのマイルールにちょっと工夫をプラスして、学校のルールに合わせればいいだけなんだよ」と伝え、「あなたの特性が悪いわけではないんだ」と繰り返し伝えていってくださいね。
発達障がいの不登校の場合は、学校、専門機関、スクールカウンセラー、療育指導など多方面からの支援が必要になってきます。親もはじめて聞くことも多く、専門用語も多いので戸惑うかたがほとんどです…。
一人で抱えず、同じ悩みを持つかたがたと情報交換をしながら、向き合っていきましょうね。
きょうの実践課題
- 子どもにこだわりや特性があった場合、あなたはそのこだわりにどのように向き合おうと思いますか?こだわりを伸ばしていく、医療機関に相談するなどでいることを多数考え、書き出してみましょう。
- 発達障害があり、学校に違和感を感じ始めた際にあなたは学校側にどのように特性を説明しようと思っていますか?スクールカウンセラーの予約を入れる、担任の先生にお手紙を書く、連絡帳に記載するなどアプローチの方法を考えてみましょう。
お手元のノートで書き出してみてくださいね。書き溜めたノートは世界に一つだけの教科書になっていきます。
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- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
- ※こちらは秋田県総合教育センター特殊教育、相談研究部作の「タイプや状態に応じた不登校児童生徒への対応」を基にしております。