6歳の女の子を持つママライター、EMIです。
私の母は、「アルツハイマー型認知症」。母がアルツハイマー型認知症だとわかってから、5年が経ちました。現在は、要介護2。高齢者住宅に入居し、サポートを受けながら生活をしています。
最初は軽度の認知症で日常生活にはあまり支障がありませんでしたが、現在はスケジュール管理やお金の管理が難しくなりつつあります。
母がアルツハイマー型認知症だとわかったのは、68歳のとき。私は一人目を出産したばかりでした。
子どもが成長していくにつれて、認知症の症状が進行する母。母が認知症になってからは、どのような生活が母にとってよいのか悩む日々でした。
介護は、家族だけでサポートをするには限界があります。特に、離れた場所で生活をしているとなおさら。いまは、周りの方々のサポートもあり、何とか生活できています。
きょうは、東京から離れた山梨で暮らす母が「アルツハイマー型認知症」と診断されてから現在にいたるまでをお話ししましょう。
認知症になる前の母は、明るく行動的だった
私と母は、友達のような関係でした。私は一人っ子で、幼いときから父は単身赴任生活。結婚するまでは、母と二人で過ごす時間がほとんどでした。少し過干渉なところもありましたが、関係はそれなりに良好でした。
母は私が生まれる前から手芸講師をしていて、年に何回かギャラリーや展示会イベントで作品を出展するのが恒例でした。
教室は、自宅や公民館などですることが多く、幼いころは私も母の仕事について行き、母の働く様子を近くで見ていました。明るく気さくな性格だったので、自宅で教室をしているときはとてもにぎやかだったのを覚えています。
そして、展示会前は作品作りに熱中する母の姿を、子どものころから見ていました。母も仕事に誇りを持っていましたし、とにかく一生懸命作品を作り続けていました。
認知症になる前の母は、とにかく明るく、行動的で仕事にも熱心。そして、身だしなみはいつもキレイに整えていました。そんな母がまさか認知症になるなんて、思いもしなかったのです。
まさか、母が認知症に!?近所の人からの突然の連絡
母の様子がおかしいと感じ始めたのは、私が結婚して山梨の実家を出て行ってからしばらく経ったころでした。このとき、母と父は別居をしており、私が実家を出てから母は一人で生活していました。
結婚後、私は東京へ。そこまで遠い距離ではありませんでしたが、当時私は共働きだったため、実家には頻繁に帰省できていませんでした。
久々に実家に帰ると少し様子がおかしいと感じることもありましたが、そのときは認知症だとは思っていませんでした。私が家を出て行ったことによる「空の巣症候群(子どもの自立によって、空虚感や喪失感が強まっている状態のこと)」なのかなと思っていたのです。
そしてしばらくして、わたしは子どもを授かりました。里帰りはせず、東京の病院で出産。出産時には母にも付き添ってもらい、出産してからも1週間ほどは母がサポートをしてくれました。
そして、母が実家に戻って半年経ったころ、仲良くしていたご近所さんから突然電話がかかってきたのです。「お母さんの様子が少し前からおかしい。もしかしたら認知症かもしれないから病院で検査したほうがいいと思う」と。
出産してから、半年ほどは電話で毎日のように連絡を取り合っていましたが、頻繁には帰省していませんでした。「出産前からの違和感は、認知症の兆候だったのか…」とこのとき改めて思ったのです。