こんにちは、精神科医・心理研究家のゆうきゆうです。
突然ですが、「マニャーナの法則」というものをご存じでしょうか?
「あぁ、マニャーナ!知ってる知ってる!」という人はレアかと思います。
マニャーナというのは、スペイン語で「あした」という意味です。一見不思議な言葉ですけど、こうして日本語にするとシンプルですね。
この法則、一言で言うと「あしたに回せ」という法則になります。根本的に「どんな仕事でも、きょう絶対にしなきゃいけないものはない」ということから発生した法則です。
「あぁ、先延ばしってこと?」という感想が生まれるかもしれません。たしかにそうなのですが、悪い意味での先延ばしではありません。
「積極的に、前向きにあしたに回しつつ、きょうは気持ちを楽にして、きょうできる範囲のことをしようよ」ということになります。
先延ばしをしつつ、「きょうしよう」という行動の重要性も説いている。それこそがこの「マニャーナの法則」です。
2等分法とは?
そしてマニャーナの法則には、非常にテクニックがあります。それこそが「2等分法」。どんなことでも2等分していこうという手法です。
たとえば「やるべき仕事がある」という場合、その仕事内容を具体的に書いてみます。
それがたとえば「100人の新規顧客を得なければいけない」とするなら、それは分割すると「50人の新規顧客を得る」ことになります。
これを分割を繰り返していけば、25、12…となり、たとえば最終的に「1人の新規顧客を得る」などになったとしましょう。
そして1人の新規顧客を得るために、たとえば「じゃあまずブログを作って、一人でも目に止まる人を増やそう」と思うのなら、まずきょうは「ブログを作る」ことだけを行動目標にします。
「きょうできることはそこまでで、あとはあしたの自分に任せよう」というのが、この2等分法となります。
とにかく分割に分割を重ねていき、「これくらいだったらきょうの自分でもできる」というところまで持っていき、そこではじめて行動するという手法ですね。
もちろん、完全に毎回、正確に「2等分」にする必要はありません。「ただ小さくしていく」ということを心がけていればOKです。
何より理想的な物事の進め方
すなわち、この法則で何より重要なのは、「あしたの自分ときょうの自分で分担してやるべきことをやろう!」という思考です。
たとえば想像してみてください。長い時間を考えてみれば、きょうの自分もいれば、あしたの自分、明後日の自分、また次の日の自分…などもいます。
それこそ一日ごとの自分がいるなら、あなたの人生は「その自分全員でチームを組んで何かをする」ようなものです。
さてここで、複数人のチームで達成したいプロジェクトがある場合。理想的には、全員でそれを分割して、個々人ができることを一生懸命やるということが重要ですね。
誰か一人でも「俺はやらないけど、お前頼むわ」というように周囲に丸投げしたりする人がいたら、ほかの人も「え、お前だけズルい!俺もサボる!」というようになってしまい、結局誰もやりません。
思い当たることはありますよね。「きょうはやりたくないから、あしたやろう」とか「何日かたったらやろう」というような場合です。
当然ですが、こうしてしまうと誰もやらなくなってしまい、いつまでも完成しない仕事が増えてしまうわけです。
これは逆のパターンでもありえます。チームメンバー1人が「俺が1人でこれをやる!ほかの人に任せられない!」なんて思い込んでしまい、仕事を抱え込んでしまうと、やはり進みづらくなります。
それこそそんな風に抱え込んで、結局何もしない、なんてことだってありますね。
これは同じく「きょう絶対にやらないと!」なんて思いこみ過ぎて、パンクしてしまう状況に似ています。
目標実行のために大切なのは「あしたの自分に期待しつつ、きょうはきょうできることをする」ということ。それこそが何より理想的な、物事の進め方なのです。