こんにちは、精神科医・心理研究家のゆうきゆうです。発行しているメルマガでは、人間心理を裸にして、あやつる技術をお教えしています。
突然ですが、みなさんはどんな部屋に住んでいますか?キレイな部屋?汚れた部屋?たくさんのものがある部屋?それともあまりものがない部屋?
今回は、精神と部屋の関係について話してみたいと思います。
部屋は精神衛生に関係する!
まず、精神科医として何より話すべきことをお伝えします。
精神疾患が重度な方の部屋というのは、たいていものすごく乱雑に散らかっています。よく「汚部屋(おべや)」という言葉がありますが、もうそんなレベルじゃありません。
足の踏み場がないレベルで、どこに進むにも、ものをかき分けなければいけないような状況です。
特にトイレや風呂などの小さな個室においても激しくものが積み上がっており、「使えているのかな」と思うことも多々あります。
精神疾患の方が入院した場合、部屋を長期にわたって使わなくなるため、解約をすることもあるのですが、その際もプロの掃除の方が片付けなければダメというほどで…。
もちろんそこまでではなくとも、多かれ少なかれ、精神的に問題が生じると部屋が汚れる傾向があります。
精神的に疲弊してくると部屋が散らかる?
以前、『片付けられない女たち/サリ ソルデン(著)、ニキ リンコ (翻訳)』という書籍が話題になったことがありました。
この書籍はADHD(注意欠如多動症)の方が、片付けられず、部屋が汚れてしまうという状況について書かれた本でした。
ADHDだけではなく、うつ病になると、やはり片付ける気力が湧いてこなくなることもあります。
それこそ睡眠や食事、さらに仕事など、生きるために重要度が高い行動ですらうまく行えなくなるわけですので、掃除や洗濯などは、よりできなくなってしまっても不思議ではありません。
実際にうつ傾向が高い人の部屋は、どんどん散らかっていく傾向があります。特に捨てるというのは、ものすごく判断力を使う行動です。
「これはもう使わないか?」「なくても大丈夫か?」ということを明確に考えなくてはなりませんし、また手放すということに一定の覚悟を必要とします。
そのためうつ状態になったり、精神的に疲弊してくると、捨てるということができづらくなり、それも部屋の汚さに拍車をかけることになっていくのです。