6歳差の姉弟を育てるママライター、EMIです。アルツハイマー型認知症の母との過ごし方についてコラムを執筆しています。
自宅での介護が難しく、老人ホームへの入居を検討し始めたとき、気になるのが老人ホームの費用。
「月々の費用は年金だけで足りるのか?」と心配している人も多いのではないでしょうか。
老人ホームといわれる介護施設は、公的施設と民間施設に分かれますので、どちらの施設に入居するかによってかかる費用が大きく変わってきます。
そこで今回は、老人ホームにかかる費用と施設選びで費用をおさえるポイントについてお伝えします。
年金だけで入れる施設はある?公的施設と民間施設の相場とは?
老人ホームの月々の費用は年金内で収まるのか、気になる人は多いのではないでしょうか。
まずは、国民年金・厚生年金の平均受給額を見て、支給される年金を確認しましょう。(参考:令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況/厚生労働省)
会社員や公務員だった人は、国民年金と厚生年金合わせて22万円程度の年金が支給されますが、専業主婦や自営業だった人は、厚生年金がないため、5万円程度と支給額が低くなります。
老人ホームの種類と相場を一覧表でまとめましたので、支給される年金と比較してみましょう。
比較的費用が安いと言われる公的施設の特別養護老人ホームでも、月額利用料が最低でも月額10万円以上、個室の場合は20万円ほどかかってしまいます。
公的施設の特別養護老人ホームも、決して安くないのが現状なのです。
会社員や公務員だった人は、月額利用料、介護保険サービスの自己負担分、雑費などトータルで22万円以内に収まる施設を探せば年金内で収めることが可能です。
専業主婦や自営業の人は、入居できないのかと不安になる方もいるかもしれませんが、収入の状況によって費用を減免する制度を適用できる場合があります。
次に、有料老人ホームなどの民間施設はどうでしょう。
入居一時金がある施設も多く、公的施設よりも費用がかかります。
サービスが充実している介護付き有料老人ホームでは入居一時金が数千万円もかかる施設もあるので、とても年金だけではまかないきれません。
費用を抑えたいなら公的施設。でも、すぐの入居は難しい?
費用面で考えると、圧倒的に特別養護老人ホームなどの公的施設が安いのですが、その分入居を希望する人が多く、入居待ちになっている施設も多くあります。
また、入居条件があるので、誰でも申し込めるわけではありません。
- 特別養護老人ホームの入居条件
- 介護度が要介護3以上で、感染症などの医療的処置を必要としないかた
- 特定疾病が認められた要介護3以上で40歳~64歳までのかた
- 特例による入居が求められた要介護1~2のかた
特に都心部ほど待機人数が多く、入居までに1年以上待つ場合もあります。
介護度が高く、緊急性が高い人ほど優先されるので、申し込んでもすぐには入居できないことを事前に把握しておきましょう。
有料老人ホームはサービスは充実しているが、貯蓄を切り崩す必要がある
民間が運営する有料老人ホームは、公的施設よりも種類が豊富で入居しやすいというメリットはありますが、その分費用が高いのがデメリットでもあります。
有料老人ホームには、介護サービスの提供がなく生活支援サービスのみを提供する「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」と、介護を必要とするかたが居住する「介護付き有料老人ホーム」などがあります。
そのなかでも、介護付き有料老人ホームは、初期費用(入居一時金)が0~数千万円、月々の費用が15~50万円ほど必要となりますので、年金だけではとてもまかないきれません。
入居する場合は、貯蓄を切り崩すケースが多いのが現状です。
施設によっては、入居一時金0円のプランと、入居一時金を最初に払って月額費用を安くするプランがあります。
入居一時金を払って月額費用を安くするプランの場合は、入居一時金は数年をかけて償却していくので、長期間住居していないと損をしてしまいます。
どのプランが最適なのかよく考えて選ぶ必要があるのです。
介護付き有料老人ホームは、費用は高い分、リハビリテーションやレクリエーションなどが豊富な施設もあるので、充実した生活を送ることができるというメリットはあります。
そして、費用が高い施設ほど、こういったサービスが充実しています。
私は、介護付き有料老人ホームを何件か見学しに行ったことがありますが、費用が高い施設ほどサービスが充実していると感じました。
初期費用が数千万円の施設は、外観も内装も綺麗で、食事が和・洋・中の3パターンから選択できたり、レクリエーションも豊富、施設内に美容室が完備されているなどサービス面がかなり充実していました。
逆に費用が安い施設は、利便性の悪い場所にあったり、建物が古く感じました。