1年の準備期間を経て、いざ幼稚園へ
幼稚園を1年見送ると決めたころ、近所にプレ幼稚園のようなクラスがあることを知りました。
週に3回、午前中だけ。ほとんどの子どもが幼稚園に通うので、数人のクラスに先生2人。
怖がりな息子ですが、ここなら大丈夫そうだと、ほんの少しずつでも親子分離の準備をするために、こちらにお世話になることにしました。
当然、最初の数回は泣いたけれど、たった2時間なので息子も徐々に慣れてきました。
毎回びっしりと報告を書いてくれ、心配なことはいつでも相談できたので、心強かったです。
その1年後、息子は「焦らなくて大丈夫よ」と声をかけてくれた園長先生のいる幼稚園に、晴れて年中から入園しました。
「心の根っこをつくる」という教育方針で、子どもの意見を尊重してくれる幼稚園だったので、安心して預けられると思ったのです。
さていよいよ幼稚園バスに乗る初日。さすがに初日は泣くだろうと覚悟していましたが、なんと息子は泣くこともなくバスに乗って行きました。
「ああ、1年待ってよかった…」と思えた瞬間。バスが去った後に、わたしが泣いてしまいました。
その幼稚園で、カリスマ園長と暖かい先生がたに見守られ、おとなしい息子も徐々に心を開き、楽しく過ごせたので、幼稚園には感謝しかありません。
ゆっくりでも、本人のペースで、子どもは育つ
息子は幼稚園生活を終え、いよいよ小学校に。
新しい場に馴染むのに時間がかかるかと心配しましたが、小学校はなぜかすんなり通い、お友達もどんどんできました。
小学校時代も、林間学校などは「行きたくない!」と泣き叫びながら行きましたが、行ったらケロッとして「楽しかった」と帰ってくるので、予測できないことが嫌いなのだと思います。
それでもだんだんと経験が積み上がってきたのか、中学の修学旅行は嫌がることなく行き、「楽しかった」と帰ってきました。
そして、そんな息子は、現在高校1年生になりました。いまだに警戒心は強く、新しい場所は苦手ですが、それでも未知のものにかなり耐性ができたかなと思うことが増えました。
小さいころからどこに行っても大丈夫な子どももいますが、うちの息子は警戒心の強い性質。
それが周りの子どもとは違っていたことでひどく心配でしたが、ゆっくりでも、その子なりに徐々に成長していくのだなということが身をもってわかりました。
息子に幼稚園時代のことを聞いてみると、「小さい子どもがごちゃごちゃしているのが嫌だった」といいます。
いまだに人の多いところは疲れるようで人酔いもしやすいので、そういう部分が子育て広場や幼稚園を嫌がっていた原因だったのかなといまになってわかりました。
幼稚園を年少から入れるかどうかなんて、長い人生のたった1年のこと。でも当時はそのことが息子の将来を左右してしまう気がして仕方がありませんでした。
けれどそうやって真剣に悩んだことも無駄ではなかったし、こうやって誰かに経験を伝えることで、どこかの誰かが「自分だけじゃない」と思ってくれたらいいなぁとも思います。
子どもの性格や持って生まれた性質はさまざまで、ママの性格や価値観もさまざま。正解がないからこそ、何を選択するか悩んでしまうけれど、子どもをよく見て、その子にとってベストと思う育て方、選択をしていくしかないのかなぁと思います。
そして、子どもは確実に成長する。それを信じて、見守る力も必要なんだということがわかりました。
全国のママさん、不安や心配でいっぱいになることもあると思いますが、お互い試行錯誤しながらやっていきましょう!
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