神戸メンタルサービスの平です。ヴィジョン心理学創始者のチャック・スペザーノ博士に師事。プロセスを重視した本格的なグループ・セラピーを開講し、セラピストとして働いてきました。
きょうは、コミュニケーション上手になるための方法をご紹介します。
「ノー」をはっきり言う
「言わなくてもわかるでしょ」「だって、ふつう、みんなそうするじゃない」
私たち日本人は他者と自分が同じような考え方をすると思いがちですが、そう思っているかぎり、コミュニケーション上手になるのは難しいです。
また、日本人の多くは「ノー」という表現が上手にできないために、外国に行ったときはもちろん、まわりの人からも誤解を受けることが少なくありません。
じつはコミュニケーションにおいていちばん大事なことが、この「ノー」をはっきりと言うことなのです。
それは、あなたがなにが好きで、なにが嫌いかということを明確にすることでもあり、そんなあなたは人から見て「わかりやすい人」になることができます。
ここで大事なのは、好きだけでなく、嫌いもはっきりと表現することです。
優しい日本人は、「ノー」をはっきりと言うと相手を否定してしまわないかと気をつかったりするものです。
しかし、あなたのことをよく知りたいと思っている人は、あなたの嫌いもありのままに聞きたいと思っているのです。
これは、あなたがほかの人のことを知りたいと思っているときのことを思い浮かべるとよいかもしれません。
たとえば、あなたが外国からのお客さまをもてなすことになったと想像してみてください。
私たち日本人は刺身はご馳走で、大好物でもあるので、おもてなしにも刺身をぜひ用意しようと思うかもしれません。
しかし、ヨーロッパの人々には生ものを食べる習慣がなく、刺身はほとんど食べられないという人も少なくありません。
そして、最初からそれを知っていたなら、あえて刺身でおもてなししようとは思いませんよね。
それで思い出すのが、昔、スイスの友人たちをくるくる回るお寿司屋さんに連れていったときのことです。
彼らもやはり生ものが苦手で、そのときはうどんやパフェを喜んで食べていました。最近の回るお寿司屋さんにはいろいろなメニューがあって、こんなときは便利ですね。
日本人にとって大事なコミュニケーション手法
話を戻せば、“ノンバーバル・コミュニケーション”は日本人にとって意外と大事なコミュニケーション手法かもしれません。
表情やボディ・ランゲージ、声のトーンを活かしたコミュニケーションのことです。
たとえば、「はい」を3つ以上言う人。「わかってるよね」と念を押したとき、「わかってますよ、はい、はい、はい、はい」などと返ってきたら、ちょっと怪しいとは思いませんか?
あるいは、頼みごとをしたときに「そうね~」などと言いながら、あごをポリポリとかいたり、空を見上げたりするような人。
そのようなボディ・ランゲージをされたとしたら、その頼みごとが叶うのは難しいかもしれません。
さらに例を挙げれば、お誘いを受けたときに、「コロナが明けたら、またね」とか「いま、仕事が立て込んでいるので、時間ができたらこちらから連絡しますね」などと答え、予定を先延ばしにする人。
これは実質、「ノー」と言っていると思ってよいのではないでしょうか。
ちなみに、これは英語でいうところの「may be」に似ています。直訳すると「たぶんね」で、「ノー」の代わりによく使われる言葉ですが、この言葉が出たら、「誘われたけれど、ちょっとムリかな」と言われているようなものでしょう。
ほかには、最近、ビジュアル型のコミュニケーションというのが登場しています。
メールでよく使う絵文字もそのひとつですが、とくに感情をあらわすのによく使われますよね。
うれしいときに、どれだけうれしいか、この絵文字を上手に使って表現する人は多いと思います。
令和のいまは、さまざまなコミュニケーション・スタイルが生まれています。それらを駆使して自己表現をすることが、いまを生きる私たちのテーマなのです。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。