人から「すごいね」と言われても、素直に受け取れない。むしろ「いやいや、普通だよ」と思ってしまう。そんな経験、ありませんか?
実は、自分の長所や強みほど「当たり前」に思えてしまい、本人は気づきにくいものです。まるで、鏡では見えない背中のホクロのように。
ドラマや映画では、主人公が「放っておいてくれ!自分のことは自分が一番わかっているんだ!」と叫ぶシーンがあります。
けれども、本当に自分のことを理解できている人は意外と少ないのです。
自分のことがわかっていたら、癌などの病気も早期発見、大学受験や資格試験も落ちることはないでしょう。
あるパーティーで、タロット占いをしてもらえる権利を手に入れました。期待に胸をふくらませた私に告げられたのは衝撃の言葉。
「本妻のほかに、大勢の女性の影が見える」だった…。
「大勢の女性の影」が本当に意味しているのは…

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人前でそんなこと言わないでください!と内心冷や汗……。占いは「いる」「いない」の押し問答で終わりました。
しかし、自己紹介をすると事態は一変します。
私は建設会社のサラリーマンの傍ら、税理士、専門学校や大学の講師、セミナー講師、そして著者でもありました。
すると占い師は「あぁ、それだ!」と声を上げました。つまり、「多くの女性」とは比喩であり、実際には「多くの仕事」を抱えていることを象徴していたのです。
周囲の人々は驚き、「どうやって時間管理をしているの?」「そんなに仕事をこなしながら本まで?」と質問攻め。
私にとってはごく普通の日常でも、他人にとっては「すごい」と見えるのだと、そのとき初めて気づきました。
この体験をヒントに企画した「5つの仕事をしていても遊びまくれる仕事術」は出版社に評価され、(タイトルは変わりましたが)私の2冊目の著書となりました。
新たな長所に気づいたきっかけは「マインドマップ」

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もうひとつ、大きな気づきをくれた体験があります。「マインドマップ」という思考整理法を学んだときのこと。
自分の人生を振り返り、子どものころから今までやってきたことを色とりどりに書き出しました。
剣道、空手、少林寺拳法……。振り返ると、「やっぱり私は飽き性で長続きしないなぁ」とネガティブに解釈していました。
ところが後日、そのマインドマップを編集者に見せたところ、思いもよらない言葉をかけられました。
「石川さん、すごいですね!小学生から今までずっと武道を続けているなんて。普通は途中でやめますよ。よく続けてきましたね」
私は驚きました。自分では「飽きっぽい性格」と思い込んでいたものが、他人からは武道という分野では「継続力がある」と評価されたのです。
同じ事実でも、見る人によって180度違う価値に映ることがある。そのとき、強く実感しました。
タロット占いでの「多くの仕事」も、マインドマップでの「継続力」も、もし私一人で考えていたら決して気づけなかったことです。
自分の強みは、自分では「普通」に見えてしまう。だからこそ、他人の目を通すことで初めて浮かび上がるのです。
もしあなたが「自分には強みがない」「目的が見えない」と感じているなら、ぜひ身近な信頼できる人に聞いてみてください。
「私って、どんな長所があると思う?」
その答えは、あなたがこれから進む道を照らす大きなヒントになるはずです。
まとめ
- 自分のことは意外と自分ではわからない
- 当たり前にできることほど強みとして過小評価してしまう
- 他人の目線を通すと、自分の価値がくっきり浮かび上がる
あなたの「普通」は、誰かにとっての「すごい」かもしれません。ぜひその視点を大切にしてください。
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