突然ですが、スーパーで手に取った卵のパックを、そっと棚に戻したことはありませんか?
値札を見るたびに「また上がったの?」とため息をつく日々。食料品、日用品、光熱費とあらゆるものが値上がりを続ける中で、多くの家庭がやりくりの壁にぶつかっています。
しかし、どれだけ家計が厳しくても、「ここだけは削りたくない」と心の中で線を引いている支出はありませんか?
その線の引き方にこそ、私たちの価値観や、大切にしているものが映し出されているように思います。
今回は、株式会社エムフロが20代以上の男女500人を対象に行った「家計が苦しくても節約したくないものに関する意識調査」の結果をもとに、現代を生きる私たちが“守りたい出費”と“手放した出費”について、一緒に考えていきたいと思います。
「家計が苦しい」と感じている人は、なんと96.8%

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まず驚かされるのは、日常的に家計の苦しさを感じている人の割合です。
「とても感じる」が62.4%、「やや感じる」が34.4%。合わせると96.8%にのぼり、ほぼ全員が家計の厳しさを実感していることになります。
一方で「あまり感じない」はわずか3.2%。
「全く感じない」を選んだ人は一人もいなかったというのですから、もはや家計が苦しい状況は特別なことではなく、私たちの日常そのものになってしまっていると言っても過言ではありません。
こうした状況だからこそ、「何を削って、何を守るのか」という問いが、すべての家庭に突きつけられているのです。
家計が苦しくても「絶対に節約したくないもの」ランキング

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日々の生活の中で、お金をかけるべきものとそうでないものの判断が常に求められる現代。
では、そんな厳しい家計の中でも、人々が「ここだけは譲れない」と感じている支出は何なのでしょうか。
ランキングを見ていきましょう。
第1位 食費(33.8%)
堂々の1位は「食費」でした。回答者からは、以下のような声が寄せられています。
「健康的な食事。健康的な食事を心がけることでよく眠れたり、疲れが取れやすかったりと、普段の生活が豊かになると考えているからです」(20代 男性)
「お肉や野菜はなるべく国産のものを買います。体に入るものなので。国産は安心安全だと信じています」(30代 女性)
「お米。ランクを落としたら、美味しくないと思う。やはり毎日食べるものは節約したくない」(50代 男性)
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食費は節約の“定番ターゲット”でもありますが、同時に健康や日々の満足感を大きく左右する支出でもあります。
栄養バランスや食の安全に対するこだわりは単なる贅沢ではなく、明日の自分と家族を守るための“投資”ともいえるのではないでしょうか。
第2位 子どもに関する費用(19.6%)
2位にランクインしたのは「子どもに関する費用」でした。
習い事の月謝、誕生日プレゼント、食事の質など、親としては削りたくないと感じる場面が多いようです。
「周りの子どもと比べて、惨めだと思わせたくないから」(30代 男性)
「子どもの将来が少しでも明るいものになるために、教育費や習い事は削ってはいけないと思っています」(40代 女性)
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「子どもの明るい将来のため」という声がある一方で、「周りの子と比べて惨めだと思わせたくない」という切実な本音も。
ここには、未来への期待だけでなく、“今”の子どもの心を守りたいという親の深い愛情が見えてきます。
経済的な理由で子どもの自己肯定感や人間関係に影響が及ぶことを避けたいという思いは、多くの親御さんが共感できるものではないでしょうか。
第3位 趣味に関する費用(15.8%)
3位には、「趣味に関する費用」がランクインしました。
ゲーム、推し活、読書、動画視聴など、具体的な趣味は人それぞれですが、共通しているのは「これがあるから日々をがんばれる」という感覚です。
「ライブに行くこと。遠征費やチケット代はかかりますが、生きる希望なので節約はしたくないです」(20代 女性)
「スマホゲームの課金。一番の楽しみだから」(30代 男性)
「衣食住には直結しないですが、節約すると生活していくうえでの楽しみが削がれ、精神的な不安定につながるため」(50代 男性)
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これらの回答からは、趣味が単なる暇つぶしではなく、“心の支え”になっている実態が浮かび上がります。
衣食住には直結しないけれど、趣味を失うことで日々の活力が奪われてしまう。そのリスクを本能的に感じているからこそ、多くの人がこの出費を守ろうとしているのでしょう。
第4位 嗜好品代(11.6%)
コンビニのコーヒー、毎朝のお気に入りの紅茶。こういった「嗜好品代」を削れないと感じている人も多くいました。
「コンビニコーヒー。毎日飲むわけではないけどささやかな楽しみなので、節約は難しいです」(30代 女性)
「コーヒー関連費用。趣味でもあり、毎日の生活のリズムを整えるファクターだと思っているから」(60代以上 男性)
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嗜好品は“ちょっとした贅沢”であると同時に、日常に句読点を打つような、なくてはならないリズムの一部になっています。
金額としては小さくても、それが毎日の習慣になっているからこそ、簡単には手放せないのかもしれません。
第5位 美容費(9.8%)
第5位にランクインした「美容費」については、特に女性からの回答が目立ちました。
「『クレンジング』『日焼け止め』『化粧水』などの美容に関するもの。日々のケアを怠ると将来シミやシワにつながり、余計ケアにお金がかかると思うから」(20代 女性)
「美容院代。髪は印象を決める大切なパーツだし、美容院代は一回の出費としては高いが、頻繁に行く場所ではないため」(30代 女性)
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実際の声を聞いてわかるように、美容を“現在の出費”ではなく“未来への備え”として捉える視点が印象的です。
美容に対する関心度には個人差があり、食費や日用品に比べれば後回しにされやすい支出でもあります。
それでも「ここだけは守りたい」と感じている人が一定数いるという結果は、美容が単なる見た目の問題ではなく、自信や自己肯定感に直結していることを物語っています。
第6位 旅行代(4.2%)
第6位には「旅行代」がランクインしました。
「旅行など自分の経験につながること。今しかできない経験というのも多いと思うから」(20代 男性)
「旅行に行ってまで節約を意識しすぎてしまっては、旅行全体が味気ない感じになってしまうため」(50代 男性)
「旅行ができなくなったら自分を失いそうなくらい大好きだから」(60代以上 女性)
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「旅行ができなくなったら自分を失いそう」という回答があったように、旅行を“人生の一部”と捉えている人にとって、この費用は決して贅沢品ではありません。
旅先での体験や思い出に価値を見いだしている人にとっては、節約の対象にすること自体が本末転倒に感じられるのでしょう。
家族旅行であれば、それは子どもとの“かけがえのない時間”への投資でもあります。
第7位 お菓子代(3.8%)
第7位にランクインしたのは、食事代とは別に「お菓子代」でした。
「小さなご褒美まで制限してしまうと、生きるのが楽しくなくなってしまうからです」(20代 女性)
「お菓子が大好きなので。自分が大好きなものを取り上げてまで節約してしまうとストレスが溜まって、他に支障が出てしまうからです」(30代 女性)
「お菓子は生命維持に必須ではないけど、心の栄養として必要だから」(40代 女性)
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こうした回答には、思わずうなずいてしまう方も多いのではないでしょうか。
お菓子は確かに生活必需品ではありません。
でも、一日の終わりにチョコレートをひとかけら口に含む瞬間や、週末に家族でポテトチップスを開ける時間は、金額以上の“満たされ感”をもたらしてくれるもの。
スーパーやコンビニで買える価格帯だからこそ、「これくらいは自分に許してもいいよね」と思える、小さなやさしさなのかもしれません。
一方で、真っ先に削った出費は?——食費が再び1位に

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守りたい出費がある一方で、物価高の現実としっかり向き合い、どの出費を節約すべきなのかをきちんと判断することもとても大切。
ここからは、家計のために実際に節約した支出のランキングを見ていきましょう。
第1位 食費(26.0%)
節約したくないもので堂々の1位だった「食費」が、真っ先に節約したものでもまた1位に。この結果こそが、食費という支出の“複雑さ”を象徴しています。
「安い店で買い物するようにし、食費を削りました」(30代 女性)
「食費です。高いものを買わないというより、お惣菜やレトルト食品を減らして、手作りすることが増えました」(40代 女性)
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これらの回答からもわかるように、食費は「料理を一品減らす」「安い食材に切り替える」「手作りに戻す」など、日々の工夫で調整しやすい支出です。
家計に占める割合も大きいため、少しの見直しでも効果を実感しやすいのでしょう。
ただし、食事を抜くような過度な節約は体調面のリスクを伴いますし、食事の満足度が大きく下がれば節約そのものが長続きしない可能性もあります。
削るけれど、削りすぎないバランス感覚が、食費の節約では何より大切なポイントです。
2位 外食代(15.0%)
第2位には「外食代」がランクインしました。
「外食費。昔より一食あたりの価格が上がっていると感じます」(40代 女性)
「外食の回数を減らしました。以前は気軽に利用していましたが、最近は自宅で食事を作る機会を増やし、飲み物も外で買わずに持参するようにしています」(60代以上 男性)
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確かに、ランチでも1,000円を超えることが珍しくなくなった現在、一食の重みは以前とは比べものにならないほど増しています。
自炊との価格差が大きい分、外食の回数を少し減らすだけでも節約効果を実感しやすく、多くの人が見直しの対象にしたのも頷けます。
とはいえ、外食は料理の手間を省いてくれる便利さがあり、気分転換にもなる大切な時間。
完全にゼロにするのではなく、「特別な日だけ利用する」「月の回数を決める」といったメリハリをつける工夫が、無理なく続けるコツといえそうです。
第3位 被服費(12.2%)
第3位にランクインしたのは「被服費」でした。
「洋服はいいのがあったら買ってしまっていた。今は月に1着など制限している」(20代 女性)
「服やバッグ、靴などのファッション費。服は今あるもので着回せば、新しいものを買わなくても生活に支障はありません」(30代 女性)
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被服費は、「買うタイミング」「枚数」「価格帯」のすべてを自分でコントロールしやすいのが特徴ですよね。
「今ある服で着回す」「どうしても必要になるまで買わない」といった工夫は、特別な知識やテクニックがなくても今日から始められます。
ファッションが好きで流行に敏感な人ほど支出が増えやすい項目ですが、逆にいえば、意識的に購入を控えるだけで目に見える効果が期待できるともいえます。
クローゼットを見渡してみると、案外まだまだ活躍できる服が眠っているかもしれませんよ?
第4位 通信費(11.8%)
第4位には「通信費」がランクイン。主にスマホやインターネットの月額料金を指し、代表的な固定費のひとつです。
「通信費。格安SIMに切り替えました」(20代 男性)
「携帯のプランは激安プランにしました。日頃からあまり使用しないので、安くて十分です」(30代 女性)
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これらの声からもわかるように、通信費の最大の特徴は一度見直せば、その効果が毎月続くこと。
食費のように日々意識し続ける必要がなく、手続きさえ済めば自動的に節約が継続するのは、忙しい日々を送る人にとって大きなメリットです。
格安SIMへの乗り換えに抵抗がある人でも、不要なオプションの解約や、同じ会社内での安いプランへの変更など、ハードルの低い方法から始めることができます。
第5位 美容費(8.8%)
「美容費」は「節約したくないランキング」でも5位に入ってましたが、こちらでもランクイン。
つまり、ある人にとっては聖域であり、別の人にとっては削りどころでもある、まさに価値観が分かれる象徴的な支出です。
「美容院代。ヘアカラーをやめた」(30代 女性)
「高い化粧品をやめ、ドラッグストアコスメや100円ショップの商品に変更した」(40代 女性)
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美容室の頻度を減らしたり、セルフカットに切り替えたりと、段階的に支出を調整している人も少なくないようです。
美容にかける金額をどこまで許容するかは、本当に人それぞれ。大切なのは、他人の基準ではなく、自分にとって「心地よいライン」がどこにあるかを見極めることではないでしょうか。
第6位 光熱費(7.8%)
第6位には「光熱費」がランクインしましたが、節約方法として以下のようなオーソドックスな工夫が挙がっている一方で、ユニークな回答もありました。
「電気代。図書館で時間を潰します」(20代 女性)
「省エネの電化製品の購入にふみきり、節約になりました」(40代 女性)
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家にいる時間を減らすことで光熱費を抑えるという発想は、一見すると極端に思えるかもしれません。
しかし裏を返せば、節約をきっかけに外の世界に目を向けたり、暮らし方そのものを見直したりする人もいるということ。
節約が生活の質を下げるのではなく、新しい過ごし方を発見するきっかけになることもあるのかもしれません。
電気やガスの契約先そのものを見直すことでも節約につながる可能性があり、通信費と同じく一度の行動で継続的な効果が得られる固定費のひとつです。
第7位 サブスク料金(6.4%)
そして「サブスク料金」が第7位にランクインしました。
「真っ先に削ったのは、サブスクです。なんとなく続けていたサブスクを見直して、あまり使っていないものは解約しました」(20代 女性)
「今見ていないドラマなどの動画配信サブスクを解約した」(40代 女性)
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サブスクは月額数百円~数千円と一つひとつの金額は大きくないものの、複数を契約していると気づかぬうちに月々の固定費がふくらんでいることがあります。
しかも、一度入会すると「いつか使うかも」とそのまま放置しがちなのが、この支出の落とし穴です。
利用頻度を冷静に振り返り、本当に必要なものだけを残す。
このシンプルな見直しだけでも、年間にすれば数万円の節約につながるケースは珍しくありません。
スマホの「設定」画面からサブスクの一覧を確認するだけなら、今日からでもすぐにできる一歩です。
こうして全体を見渡すと、真っ先に削られるのは「調整しやすい変動費」と「見直し効果が大きい固定費」の2つに大きく分かれることがわかります。
そして注目すべきは、「節約したくないランキング」で上位に入った食費や美容費が、「真っ先に削ったランキング」にも登場している点。
どの支出を守り、どの支出を手放すかには正解がなく、そこには一人ひとりの暮らし方や価値観がくっきりと映し出されています。
まとめ
今回の調査から見えてきたのは、96.8%もの人が家計の厳しさを感じながらも、それぞれ「ゆずれないものは何なのか?」の意識を持って日々を過ごしているのがわかりました。
食費を守りたい人も、削る人もいる。趣味を手放せない人もいれば、真っ先にサブスクを解約する人もいる。
それはなにが正解でなにが不正解かではなく、自分や家族にとって何が本当に大切かという問いに対する、一人ひとりの答え。
今回の調査結果を見て、「ここだけは譲れない」という自分なりの聖域を持つことはわがままではなく、日々を前向きに生きるための知恵だと実感させられました。
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