突然ですが、あなたは「お笑い系の番組」を見て、傷ついた経験はありませんか?「ブラックユーモア」みたいなものに傷ついたことですね。最近は、放送コードも厳しくなったようで、そこまでのことはなくなったかもしれません。
でも私が子どものころは、ちょうどお笑いブームみたいなものがあって、毒舌が幅を利かせていました。人の身体的特徴をからかうようなことなど、いま聞いたらとんでもないような悪口をいっていた。
「お笑いなんだから、そんな目くじらを立てなくてもいいじゃないか」と思うかもしれませんが、でも傷つくものは傷つきますね。いまだって、「いくらジョークでもそれはいい過ぎだよ」と思うこともあるかもしれません。
個人の会話でもそういうことはあるでしょう。今回は、冗談と称して傷つくことをいわれたときの対処法についてお話します。
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言葉よりも大切なこと
実際のところは、相手もそこまで深く考えて話をしているわけではないかもしれない。だからといっていいわけではありませんが、悪気なくいっていることも多いでしょう。
「人の口に戸は立てられない」ということわざがありますが、人がいった言葉を過剰反応しないような心がけも大切。自分が余計なことで苦しまないようにするためです。
また悪口ばかり気にしていると、気持ちが萎えて、ミイラ取りがミイラになるごとく、自分自身が悪い言葉を使ってしまう場合もあります。あるいは、会話が怖くなって何もいえなくなってしまうこととか。
そういえば思い出したのですが、私は若いころにこんなことがありました。好きな女性とドライブをしたときの話です。その女性から「上村さんって、駐車がヘタね」といわれたのです。たしかに私は、駐車が苦手。まっすぐ停めるのに、何回も切り返しをします。
「でも、そんなこといわなくてもいいじゃないか。せっかく乗せてあげているのに」と腹が立ってきた。当時の私は彼女の言葉を、「侮辱」ととらえたのです。返事ができなくなって、黙り込みました。
でもよく考えてみたら、彼女は別に僕を侮辱したのではなかったのです。軽蔑している人と、ドライブには付き合わないでしょうから。もちろん冗談にしては笑えない冗談ですが、それでも別に悪気があっていったわけではありません。
私は怒って何も話せなくなってしまいましたが、もし彼女の言葉を「肯定的に」とらえたら、どうだったでしょうか?「駐車するのは微妙なテクニックがいるんだ」とか何とか、うまく切り返せたはず。
車の切り返しはヘタでも、言葉の切り返しはうまくできたかもしれません。それができずに黙り込んでしまったのは、相手の言葉をネガティブにとらえたからですね。
もちろん、ネガティブな言葉をポジティブにとらえるわけにもいかないでしょう。しかし付き合いというものは、ひと言ひと言相手が何をいったかが大切ではなく、全体的な付き合いとしてとらえることが大切です。
前提としてお互いに信頼関係があるのなら、たとえ少々の言葉の行き違いがあっても、それは別に大した問題ではありません。つまり、あまり相手の言葉を重大に捉えて、ネガティブになってはいけないということなのですね。