みなさま、こんにちは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。
現在、不登校についてシリーズでお送りしております。今回は「不登校のタイプ:母子分離不安型」についてお話しします。
「母子分離不安型」とは
さて、不登校には7つのタイプがあると言われています。今回はそのなかのひとつ「母子分離不安型」についてです。
このタイプの特徴としては、
- 小学校低学年に多く見られる
- お母さんの関心や愛情を何度も確認し、つなぎとめようとする
- お母さんから離れることに強い不安を見せる、お母さんの行動を観察する、お母さんの外出を嫌がる
- お母さんを独占したり、お父さんや兄弟に対して、敵対意識を持ったり言動にだしたりする
- お母さんのひざに乗ってきたり、スキンシップを求めたりする。赤ちゃん返りのような言動がみられる
- お母さんが側にいると友達と遊ぶことができたり、元気に過ごすことができる
などがあります。
はじめての小学校生活への強い不安感から、「安全地帯であるお母さんのもとから離れられない・離れたくない」という気持ちが先にでてしまうことがあり、登校を渋るようになってきたり…。でもこのときに叱ったり、うっとおしく思わないように注意していきましょう。
これまでできていた着替えや、片づけなどができなくなることもありますが、これは一時的なもの。焦らず、ゆっくりサポートしながら生活をしていってください。
この母子分離不安型のお子さんへの注意点は、
- 子どもが何度も愛情を確認をしてきても無視したり、嫌がったりしない
- お母さんから離れることへの不安を見せてきても無視したりしない
- 赤ちゃん返りをしているな…と感じても、「もうお兄ちゃん・お姉ちゃんなんだから!」と言わない
- スキンシップを求めてきたら、たとえそれが赤ちゃんのような接し方だったとしても拒絶したり、嫌な態度をとらず十分に満たすようにする
- 上記のような子どもの生理的欲求にとことん付き合い、満たしていく
- 話をよく聞き、「そうなのね」「そんなふうに感じたのね」など、感情を共有していく
- 赤ちゃん返りなど幼児退行現象を受け止めることはお母さんへ負担がかかるため、お父さんや周囲の人間、カウンセラーなどに相談し、お母さんがストレスを溜めないようにする
などがあります。
そして家の対応も大切ですが、不登校の場合は学校との連携も大切になります。赤ちゃん返りをしている我が子を見て「こんなことを相談したら先生の迷惑なんじゃ…」と思ってしまうお母さんも多いと思いますが、子どもが初めてのことに不安や緊張を見せるということは自然なこと。
恥ずかしがらずに学校に相談して、保健室登校を認めてもらったり、お母さんと一緒の登校を認めてもらったりと柔軟な対応をお願いしましょう。
学校は子どもが主役の場所です。いま我が子にとって一番いい形は何なのか、先生と一緒に考えてくださいね。
きょうの実践課題
- 子どもの不登校になる背景について、甘えたい様子が見えたときにどのように声掛けをしていこうと思いますか?行動を前向きに捉えられるような声掛けをいくつか書き出してみましょう。
- 子どもが赤ちゃん返りをしていたときに、あなたはどのように接していこうと思いますか?抱きしめる、いい子いい子する、膝に乗せるなど、対応を考えて書き出してみましょう。
お手元のノートで書き出してみてくださいね。書き溜めたノートは世界に一つだけの教科書になっていきます。
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- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
- ※こちらは秋田県総合教育センター特殊教育、相談研究部作の「タイプや状態に応じた不登校児童生徒への対応」を基にしております。