「節約したい」「家計を見直したい」と思っても、どこから手をつければよいのかわからない。そんな悩みを抱える人は少なくありません。
そんな中、お金の情報メディア「スマートマネーライフ」では、実際にこの1年以内に節約に取り組み、効果を実感した450名にアンケート調査を実施。「本当に節約できるもの」や「節約を成功に導く意識の変化」について深掘りしました。
浮かび上がったのは、「節約=我慢」ではなく、「効果を感じられるからこそ続けられる」という、新しい節約の形。今回はその調査結果をもとに、節約のコツと心構えを探っていきます。
【固定費】一番節約できるのは「スマホ料金」だった

image by:スマートマネーライフによる調査
スマホ料金・インターネット料金、電気料金・ガス料金、保険料、家賃・住宅ローンなど、毎月同じ金額がかかる支出「固定費」。
毎月かかる金額だからこそ見直したいところ。調査結果を見てみると、節約を実感した450名のうち、82%にあたる370名が固定費の節約や見直しを意識して取り組んでいることがわかりました。

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それでは実際には、どういった固定費の見直しを行なったのでしょうか?多くのかたが最も効果を感じたと回答したのは「スマホ料金」(152名)でした。
スマホ料金は、格安SIMの普及や「2年縛り」の撤廃といった業界の変化により、乗り換えの手間も費用もほとんどかからないうえ、節約効果が大きい項目です。
一度見直すだけで、毎月の支出が数千円安くなり、それが1年単位で見ると数万円規模になることも。実際に取り組んだかたのうち82%が効果を実感しています。
- <固定費で「一番節約できるもの」5選>
- 1位 スマホ料金(効果を感じた人 152名/取り組み 185名)
- 2位 電気料金(効果を感じた人 137名/取り組み 200名)
- 3位 ガス料金(効果を感じた人 78名/取り組み 137名)
- 4位 保険料(効果を感じた人 51名/取り組み 84名)
- 5位 インターネット料金(効果を感じた人 50名/取り組み 81名)
特に注目したいのが「保険料」。取り組み人数自体は少なかったものの、見直しをした人の約63%が節約効果を感じています。
保険のように、一度契約すると見直しが後回しになりがちな固定費こそ、見直しの価値があるといえるでしょう。
【固定費】取り組む人は少ないが節約効果が高い「自動車費」「住居費」
節約効果の「割合」で見てみると、意外な項目が浮かび上がります。
特に割合が多かったのが「自動車費(マイカー売却・カーシェア活用など)」で88%。車の売却やカーシェアへの切り替え、自動車保険の見直しなど、「手間はかかるが効果が大きい」節約項目です。
多くのかたが「面倒そう」と感じるため、取り組む人は少なかったものの、実際に取り組んだかたの多くが成果を実感しています。
そして、「スマホ料金」(82%)に続いて高い割合を出したのは「住居費(家賃・住宅ローン)」(80%)でした。
住み替えや住宅ローンの借り換えなど、大きな決断が必要な分、節約効果も大きい住居費。
ただし、家族との相談や事前準備が必要なため、実行までに時間を要する傾向が見られます。
【変動費】一番節約できたのは「食費」。満足感も高い結果に

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食費、日用品費、趣味・娯楽・交際費などといった毎月金額が変わる支出「変動費」でも節約は可能ですよね。
とはいえ変動費の節約は、生活の中でより意識する必要がある分、固定費よりもハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。
しかし調査結果を見てみると、450名中414名(92%)が変動費の見直しにも取り組んでいることが明らかになりました。

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変動費を節約していく中で特に効果を感じたものはどんなものがあるのでしょうか?
「一番節約できる変動費」として多くのかたが効果を感じたのが「食費(食材・家族の外食)」(264名)でした。
自炊や外食の頻度調整など、変動費の中でも日常的に意識しやすい分野で、しかも満足感も高いという声が多数寄せられました。
特に注目すべきは、効果を感じた割合が84%と非常に高い点。小さな工夫が積み重なり、支出の削減と満足感の両方を得られる好例です。
- <変動費で「一番節約できるもの」3選>
- 1位 食費(効果を感じた人 264名/取り組み 313名)
- 2位 日用品(効果を感じた人 107名/取り組み 190名)
- 3位 趣味・娯楽・交際費(効果を感じた人 94名/取り組み 136名)
日用品や美容費は価値観の影響が大きく、「どこまで削れるか」が人によって異なるため、満足度を維持したままの節約が難しい傾向にあります。
【節約の本質】意識の変化が節約成功のカギ

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節約の成功には、単なる家計見直しだけではなく、「考え方の変化」も深く関わっていることが明らかになりました。
アンケートによると、450名中368名(82%)が「意識やライフスタイルの変化があった」と回答しています。
どのような変化が起きたのか聞いてみた回答TOP3がこちら↓
- 1位 見栄や物欲を手放した(154名)
- 2位 健康的な生活を意識するようになった(121名)
- 3位 他人と比べなくなった(87名)
SNSや広告など、常に「もっとよい暮らし」が目に入る現代。そんな中で「自分にとって本当に必要なものは何か」と向き合い、虚栄心や過剰な欲を手放すことが、節約の第一歩になっています。
【続けられる節約】リアルな声から学ぶ7つのコツ
450人の節約実践者から寄せられた「続けるためのコツ」には、多くの共通点がありました。
①目的や達成感を“見える化”する
「貯金が増えていくのを目で見て実感できる」「小さな効果でも数値で確認する」といった声が多数。目に見える成果がモチベーションを支えます。
②本当に必要なものを見極める
「習慣になっていた出費を見直す」「無駄なものを削る」など、自分の価値観と向き合う姿勢が節約の基盤に。
③他人と比較しない
「SNSに惑わされず、自分軸で暮らす」「見栄を張らず、質素でも心地よい生活」を大切にすることで、浪費の原因を断ち切ります。
④無理しない・ストレスを避ける
「家族の負担にならない」「我慢ではなく“やめておこう”の気持ちで続ける」など、無理のない範囲で工夫する姿勢が重要です。
⑤メリハリをつける
「使うところには使う」「削らないものを決める」といった“戦略的節約”が、心の余裕につながります。
⑥楽しむ工夫をする
「節約の中に小さな喜びを見つける」「プチ贅沢でストレスを緩和する」など、節約生活にも“楽しさ”をプラスすることが続ける秘訣。
⑦習慣化・小さな成功体験の積み重ね
「コツコツ続ける」「思い立ったらすぐ行動する」など、スモールスタートを積み重ねることで、節約は“暮らしの習慣”になります。
まとめ
今回の調査から見えてきたのは、「節約の成功に必要なのは、苦しさや我慢ではない」ということでした。
- 固定費:スマホ・電気・保険など、一度の見直しで長く効果が続く「見直しのしがいがある項目」
- 変動費:日々の小さな行動でコツコツ効果を実感できる「満足度の高い節約」
- 意識改革:「見栄を手放す」「必要なものだけに囲まれる」ことで、節約が自然と定着していく
節約とは、ただお金を削ることではなく、「自分らしく心地よく生きるための選択」なのかもしれません。
まずはスマホ料金や食費など、取り組みやすい節約から始めてみてはいかがでしょうか。変化の第一歩は、意外とすぐそこにあるかもしれません。
- source:スマートマネーライフによる調査
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