夫の実家とはなるべくよい関係でいたいと思いますが、こちらだけが努力しても義父母たちが変わってくれなければ苦労するもの。
価値観の違いが大きく出るものには育児がありますが、特に子どもが赤ちゃんのころは義実家の介入も多くなり対応に苦労する、という人もいます。
たとえ夫の家族であっても、何でもOKとはならないのが現実。実際にどんなトラブルが起きているのか、実例をご紹介します。
新生児の息子を抱いて消える義母(女性/32歳/金融)
「夫とは社内恋愛で結婚まで進みました。付き合っているころから夫の実家にはよく遊びに行っていて義父母と会話をすることも多く、入籍してからも適度な距離感を保っていると自分では思っていました。
そんな空気がガラリと変わったのは、私が長男を出産したときです。
妊娠がわかったとき、義父母はまず喜んでくれてうれしかったけれど、つわりがひどくて横になっていると言えば『病気じゃないのだから』と逆に体を動かすことを勧めてきたり、産院も私が調べた情報より『ここが間違いない』と古くて設備の整っていない病院を言ってきたり…断るのに苦労しました。
私とお腹の子のためというのがわかるので心苦しいけれど、私は私で悔いのない出産をしたいのですよね。
見かねた夫が『俺たちで考えているから』と義母に話してくれてそれから口出しはなくなったのですが、産まれてからがまた大変でした。
やっと体調が戻ってきたのは、息子が生後3カ月くらいのときで、義母に『ご飯を食べにおいで』と誘われて夫と向かったのですが、私が食べている間に義母は息子を抱いて部屋から出て行って…。
どこに行くのか、母親の私に一言も言わず新生児の息子を抱えて消えていく義母はさすがに怖くて、夫に後を追ってもらいました。
義母は2階の部屋で息子を抱っこしていたらしく、リビングに戻るよう言ったら不機嫌そうな顔をしたそうです。
義母のことは信頼しているけれど、息子はまだ新生児で不安定な状態。見えないところに連れていかれたら、やっぱり不安です。
帰宅してから夫に気持ちを伝えると、『俺も黙って消えるのはどうかと思う』と言ってくれて、私がいないところで義母と話してくれたようです。
特に義母から何か言われるようなことはなかったのですが、しばらくしてまた義実家に行ったとき、義父から『あんたは心が狭い』と言われてびっくり。
『孫をかわいがって何が悪い』と義父は怒っていて、どうも義母の言動を詳しく知らず私が一方的に拒絶していると思っているようでした。
ショックで固まっていると、隣にいた夫が『俺たちに何も言わずに赤ちゃんを抱いて行かれたら困る』と話し、義父も事情を理解してくれて、その日は義母に会わずすぐ義実家を出ました。
その後、夫と義父母で話し合いがあり、『ただ孫を抱っこしたいだけなのに』と義母は言うらしく、『黙って連れていく理由は?俺と妻にひとこと言うべきじゃないのか』と夫に返されて口をつぐんだそうです。
なぜそんなことをするのか、抱かせてほしいと言ってくれたらいいのに、同じ母親なら不安になる気持ちがわからないのかといまも思います。
夫が間に入ってくれたから助かったものの、それ以降義母とはどこかギクシャクした空気が続いています」(女性/32歳/金融)
孫が産まれたらうれしいのは義父母も同じであり、かわいがりたいと思ってくれる気持ち自体はありがたいですよね。
それはいいけれど、母親である息子の妻に何の断りもなく赤ちゃんを連れて部屋を出るのは、やはり気分がいいものではありません。
どうしてそんなことができるのか、「孫は自分の好きにしていいと思われていたかも」とこちらの女性は話していましたが、逆の立場になったとき、義母はどう感じるでしょうか。
ご夫婦は赤ちゃんを触らせたくないのではなく、ただ普通に「抱っこしたい」と言ってくれたらよかったのに…というのが本音。
夫が自分の親の振る舞いに疑問を持ったのは、妻の目が届かないところに赤ちゃんを平気で連れ出すことで、「かわいがりたいならその場にいられるはず」と思ったからだそうです。
目的や気持ちがわからない言動は、義父母であってもきっぱりとNOを示すのが今後のためともいえます。