Q. 継続するモチベーションが落ちたときはどうしていますか?
わたしには夢があり、それに向かって自分なりに努力を続けているつもりです。
しかし、成果が出なくて嫌になってしまったり、同じことの繰り返しで飽きてしまったり、継続するモチベーションが落ちてしまうことがあります。
こんなとき、どうやって、自分の気持ちを持ち直せばよいでしょうか?
- 20代明治大学生からの質問
 
この質問に答えるのに私は好適かもしれません。それは、継続するモチベーションが途絶えないからではなく、しょっちゅうモチベーションが落ちるような不運なできごとに見舞われているからです。
一番いい例が、明治大学のこの授業でありましょう。毎年、春学期の最終授業で、社会起業を目指す学生がかなりの人数いたのです。そこで、今期から秋学期に敬愛する社会起業家にお願いして特別な授業を企画して喜んでおりました。
ところが、春学期は定員40名の抽選だったのに、秋学期に履修してくれた学生は、わずか2名という大見込み違い。
こんな、心が折れそうになることが、年に数回は起きるような人生を、なんとか私は行き抜いてきました。
1. 大学ゼミ恩師の言葉「人は、階段状に進歩する」

image by:Unsplash
こうして、気持ちがへこんだときに思い出すのは、大学時代の恩師 平野絢子先生の至言の数々です。
曰く「人は、階段状に進歩する」。
つまり、努力を重ねていようと、いつも順調に、つまり直線状に進歩することはないと教わったのです。
がんばっても進歩が止ってしまう踊り場があり、その辛い時期を耐え忍んで努力を続けていると、また飛躍的に進歩するときを迎えるという教えです。
振り返れば、確かに、私もそんな階段状の歩みを繰り返してきました。
もう限界かもと思いつつも、あきらめずに続けているうちに、予期せぬ形でステップアップすることも多かったのです。
自力でコツをつかむこともありましたし、思わぬご縁に恵まれることもありました。
2. 大学ゼミ恩師の言葉「人は、らせん状に進歩する」

image by:Unsplash
もうひとつの教えは 「人は、らせん状に進歩する」です。
がんばっているのにまた似たような課題にぶつかったり、同じようなことをしなければならない。振り返れば、そんな残念に思えることも、よくありました。
しかし、二次元で見れば同じ場所にいるように見えても、三次元で横から見れば高さが上がっている。それが「らせん状の進歩」だと、平野先生は教えてくれたのです。
つまり、人生は一筋縄でいかないし、垂直上昇するような進歩などありえないということでしょう。
どんなにがんばっても、時に停滞したり、遠回りをして、堂々巡りをするのが当たり前だとわきまえておけば、不調のときでも気が楽になるでしょう。
3. 仕事・個人・ 家族の各分野で、並行して目標を作り精進

image by:Unsplash
仕事だけ、それも一つのプロジェクトだけを目標にしてがんばることも悪くはありませんが、うまく行かないときのストレスも、それだけ大きくなります。
できれば、いくつかのプロジェクトを並行して進めておくと、すべてが同時に行き詰まることは少ないので、気が楽になります。
もし会社から、そうした複数のプロジェクトを与えられる環境でなければ、個人的なスキルアップのための習い事や、NPOなどの支援活動を、自分で設定するのも良いでしょう。
さらに、家族と一緒に楽しめる趣味の時間を作ることも、大切なプロジェクトです。
ありがたいことに、私は、尊敬する先輩経営者に誘われて、毎月20年以上も有意義な勉強会に参加させていただいています。
そこでは、少数精鋭の心通うメンバーと、完全な内密性のもとで、互いの悩みも語り合えるのです。
毎回、某宇藤に、全員が、仕事と家族と個人の3領域で、この1カ月に良かったこと悪かったこと、次の1カ月に期待していること不安なことを発表して共有します。
そして、自分の経験に照らし合わせて、相互に助言し合うのです。
この経験を通じてわかった経験則は、次の通りです。
どんな達人でも…
- すべての領域で絶好調になるのは難しいこと
 - すべての領域で絶不調になることも少ないこと
 - 絶好調がずっと続くこともないこと
 - 絶不調がずっと続くこともないこと
 
つまり、どんな優れた経営者、人格者であっても、自分では予測することも抗うこともできない波に動かされながら、好不調を繰り返していたのです。
達人は、その波を承知の上で、落ち込みすぎないよう、喜びすぎないよう、人生をコントロールしていると悟ったのです。
ですから、ものは考えようです。
ある仕事で不調なときは、ほかの仕事が好調なこともあるでしょう。仕事がだめなときには、家族と楽しい時間を過ごせることもあるでしょう。あるいは、趣味や社会貢献活動が順調かもしれません。
万が一、すべてが不調だったら、次は仕事も家族も個人も同時に好調になる可能性もあるのです。
4. 大きな夢こそ長期指向で急がず慌てず

image by:Unsplash
大きな夢を持たれていることは素晴らしいことです。
大きな夢=生涯かけて実現する夢ということですから、人よりも数多くの踊り場を体験し、いくつものらせんを昇り続ける必要があるでしょう。
ですから、急がず慌てず、ゆったりかまえて歩み続ける心構えが大切です。
そして大きな夢と合わせて、仕事と家族と個人で、それぞれ複数の小さな目標を立てておきましょう。
それらを複眼思考で眺めて、うまくいったり、しくじったりする流れを自然なものと受け止めれば、落胆しすぎることもないでしょう。
- image by:Unsplash
 - ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
 


0 件
				