もっと詳細に確認したほうがいい?
もうひとつ、先ほどの方法がおすすめな理由があります。それが、上司や部下にかかる負担と、それを行うことによる効果のバランスです。
たとえば、部下にもっと詳細な計画を見せてもらい、それをもとにコミュニケーションを取っていくことができれば上司の不安はかなり減ります。ただ、それを実現するためには、2つのハードルがあります。
ひとつは、部下がタスク管理をできているかという問題です。部下が自分のタスクをあまり管理できていない状態であれば、まずそこから始める必要があります。
部下がタスク管理をやれていたとしても、もうひとつのハードルがあります。それは、タスク管理の状況(タスクの計画)は、本人以外が見てもなかなか理解しにくい、という問題です。これは自分のタスク管理をふり返ってみるとわかります。
自分としては十分わかりやすい具体的な計画ができていたとして、それをそのまま上司に見せて内容を理解してもらえるでしょうか?実際には、なかなか難しいですよね。
もし、わかってもらおうとするなら、細かいことをいちいち説明する必要があり、これは負担が大きすぎます(普段からかなりコミュニケーションを取れていない限り無理でしょう)。これら2つのハードルをクリアするのは、かなり難しいです。
一方、最初に紹介したような、ゆるい管理はすぐにでもできますし、大した手間もかからない。それでおすすめしているというわけです。
基本は自己管理から
「部下のタスクをしっかり把握したい」というのは、多くの上司が思う理想の姿かもしれません。しかし、現実にはこれはかなり難しいものです。少し余談ですが…たとえば、毎朝、部下にタスクの計画をメールしてもらい、終業時に実績をメールしてもらう。そんな形の管理方法もあります。
この方法、いかにも細かくしっかり管理できているように見えますが…私はあまりおすすめしません。本人がタスクをうまく管理できていないのに、「毎朝計画を提出させる」という形にこだわってしまうと、「精度が低すぎる計画」や「(確実に達成できる)余裕がありすぎる計画」を出してきたりするなど、よくないことがいろいろ起こるんですよね。大まかな方針としては、
- 部下がタスク管理できるようになることを第一優先とする。
- それができていないうちは、上司は無理して部下の仕事を詳細に把握しようとしない(ゆるい管理でいい)。
ということになります。部下のタスク管理がレベルアップすれば、詳細に報告してもらうことも可能になりますが、個人的にはそこに時間と労力をかけるよりも、細かいタスク管理は自己管理に任せる、その代わり相談を受ける時間を増やす、という方向でコミュニケーションを充実されるほうがいいと思っています。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。