楽しいときだけ動くのは「ダメ」なこと?
子どもが生まれてから成長するにしたがって、子どもに行動を促(うなが)す言葉掛けをする親は多いですよね。例えば、登園や登校やお出かけの時の「早くしなさい」、お稽古の練習や宿題などを「やったの?」、食事のときの「全部食べなさい」。他にもあるかもしれません。
親が伝えたことに対して、「は~い!」と元気に気持ちのよい返事をして、スグに行動する…という子はほぼ0(ゼロ)ですよね。
ほとんどの子は「うごきません」。
でも、遠足や旅行や遊びに行くなど、子ども自身が楽しいときは、スイスイと行動します。子どもだけではなく、私たち大人も、楽しみや価値を感じたとき、自分から動きますよね。
楽しいときだけ動くのはダメなんじゃないかな…と思って、他者や自分を責める人がいるかもしれません。
でも、それでいいんです。楽しみや価値を感じたとき、自分から動くのは素晴らしいことです。そのことを教えてくれるのも、絵本『うごきません。』です。
ハシビロウコウという鳥をご存知ですか?動かないことで有名な鳥です。ハシビロコウがいる日本の動物園は次の通りです。
- 那須どうぶつ王国(栃木県)
- 千葉市動物公園(千葉県)
- 恩賜上野動物園(東京都)
- 掛川花鳥園(静岡県)
- 神戸どうぶつ王国(兵庫県)
- 松江フォーゲルパーク(島根県)
- 高知県立のいち動物公園(高知県)
この絵本の主人公のハシビロコウも動きません。
お友達が来ても、
怖いと感じるようなことでも、
ビックリしそうなことでも、
ギョッとしそうなことでも、
笑ってしまいそうなことでも、
慌ててしまうそうなことでも、
ハシビロウコウは動きません。
でも…
ある瞬間、ハシビロウコウは動くのです!!!
でも、そのあとは、またじ~ッとして動かなくなりました。
この絵本の中では、動かないハシビロコウ、動いたハシビロコウが描かれています。
そして、ハシビロコウは うごかなくても、かおが かわらなくても、「おいしい」とか「びっくり」とか「こわい」とか「たのしい」ってちゃんと おもっているんです。と説明をしてくれます。
私はこの部分を読むと、人の感情と表現方法には個性があって、それを認めることの大切さを感じ、胸にじ~んとするものを感じます。
子育てワンポイントアドバイス
『うごきません。』は、このような方に特にオススメします。
- 「楽しみや価値を感じたとき、自分から動くのは素晴らしいこと」と自分も他者も認めたい人。
- 「動かない」子どもや自分を、認め・見守りたい人。
- 人の感じ方や表現方法の個性を認める包容力のある人になりたい人。
親子で読むと、潜在意識レベルで「風の時代」を軽やかに生きていけると思いますよ。
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