コミュニケーションの悩みにおいて、よくご相談いただくのが「話が続かない」「話題が見つからない」「何を話したらいいのかわからない」といった類のものです。
特に初対面であったり、よく知らない相手の場合、「沈黙は気まずいし、かといってそんなに話すこともないし…」と困ってしまいがちですよね。
きょうはそんな「話が続かない」といったお悩みを解決するためのコミュニケーションのコツについてお話したいと思います。
「何かを話さなければ…」という思考の罠
とりあえずと思って季節の話を振ってみても、「暑いですね」「ああ、そうですね」「…」。なんだかとりあえず感が強調されたような感じになって、そんなことしかできない自分にますます落ち込んだりもして。
「何を話したらいいんだ…」そんなことが頭をぐるぐるまわっているうちに焦ってくる。ときに、間を埋めようと、必死に話すことを考えて、自分の思い出話から経験・体験談、家族や知人・友人まで話題のなかに総動員させて、一生懸命話し続ける。
相手は「へー」とか「そうなんですね」なんていうばかり。とにかく必死に話して話して、ヘトヘトになってくる。「それじゃあ、また」が救いの言葉のようになり、相手と別れてドッと疲れている自分に「なにやってるんだ…」とまたへこむ。
なぜそんなことになるのでしょう。なぜそんなに疲れるのでしょう。
「何を話したらいいのかわからない」という言葉をよく考えてみてください。そこには、「何かを話さなければ」という前提が隠れています。これが実は、思考の罠だったりもします。
「何かを話さなければ」と思うから、話すことに困るのです。とんでもなくたくさんの引き出しを持っていて、「話したくてたまらない」ならまた別ですが、多くの人がそうではありません。
「話さなければ…でも何を…?」となっていることがほとんどなのです。これでは限られた引き出しを片っ端から開けて、なかにあるものを無理やり引き出しているようなものです。
場合によっては、もうぜんぶ中身は出されていて、もう何も残っていないなんてこともあり得ます。そりゃ疲れるのが当たり前です。