「人の気持ちを考える」ってどういうこと?
こんにちは、子育て絵本アドバイザーの山口りかです。
先生や大人が誰かを叱ったり言い聞かせたりする言葉には、定番になっているものがいくつかあります。
例えば、「相手の気持ちを考えなさい!」。あなたは、この言葉を誰かからいわれたり、誰かがいわれていたのを聞いたり、誰かにいったりしたことはありますか?
私は、あります。
では、「相手の気持ちはどうやって考えたらよいか」理解できるまで教えてもらったことはありますか?私は、親や学校で教えてもらったことはありませんでした。大人になって、本を読んだり講座に参加したりして学びました。そして、子どものときに相手の気持ちや感じ方がわかる方法を教えてもらっていたら、毎日がもっと楽に過ごせていたと思いました。
きょうは、相手の気持ちや感じ方を知るヒントになる絵本を紹介します。この絵本を読むことで、本当の意味で「相手の立場に立つ」ということが実感できると思います。
『どんなかんじかなあ』
- 中山千夏(文)、和田誠(絵)
- 2005年7月13日発行
- 自由国民社
- 第11回 日本絵本賞 受賞作品、第52回 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(小学校低学年の部)
内容紹介<Amazonより抜粋>
ともだちの まりちゃんは めがみえない。
それで かんがえたんだ。
みえないって どんなかんじかなあって。しばらく めを つぶっていたら わかるかもね。
うん、めを つぶっていてみよう。なんてたくさん
いろいろな おと!!ぼくは おどろいて めをあけた。
まえと おなじ しんとした よのなかだった。だから まりちゃんにあったとき いったんだ。
みえないって すごいんだね。
あんなにたくさん きこえるんだものね。
みえるって そんだね。
ちょっとしか きこえてないんだものね。まりちゃんは わらって、こういった。
「ひろくんって、かわってる!」
「相手の気持ちを考えなさい!」といったとき、子どもは本当の本当に、相手の気持ちを考えることができるのでしょうか。
「相手の気持ちを考える」というのは、抽象的な概念です。抽象的な概念がわかり始めるのは9歳ごろからといわれています。そのため日本の学校教育では、各教科で9歳ごろから抽象的概念の指導が始まります。ただ、抽象的概念がわかるためには、具体的概念を理解することが必要です。