学校でのトラブルが原因の不登校は…
まずは、「学校でのトラブルが原因」の不登校についてみていきましょう。
不登校になるきっかけは、子どもによってさまざま。一人一人原因は違うのですが、私たち親は、真っ先に「学校にいけなくなってしまった」という「いま起きた事実」に注目すると思います。
そして、「何が原因だったんだろう…」「何かあったのかしら!?」「あのときの喧嘩が原因かしら…」と、原因の究明をたくさんしていくでしょう。
もちろん、子どもの抱えるストレスや不安を知っていこうとする姿勢は素晴らしいです。でも、「一部分だけを見て判断してしまう」のは、とても危険です。
たとえば、学校でトラブルがあったとします。でも、不登校の引き金となったトラブルは実は氷山の一角で、実はずっと嫌なことをされていたり、からかいやいじめが隠れているケースがあります。
こんなときに「そのときその場の対応」だけしてしまうと、一時は満たされても、根本のところにある不安やストレスが解消されていないので、また、学校にいけなくなってしまう…ということもあるのです。なので、きっかけとなった出来事から遡って、ストレスの源流を見つけていきましょう。
思春期以降は、なかなか話したがらなかったり、子ども自身も自分のストレスがどこからきているのか、わからない場合もあります。ゆっくりと時間をかけながら、日常生活を楽しく豊かにし、話しやすい雰囲気を作っていくと徐々に心を開いていきますので、焦らずに子どもが自分から話してくれるまで待ちましょう。
本音を話してくれたらまず「話してくれてありがとう」と感謝をし、たっぷりと話を共感的に聴いていきます。このとき、ついアドバイスをしてしまいたくなると思うのですが、アドバイスは最後の最後なので気をつけてくださいね。
よかれと思ってのアドバイスも、不登校の子どもには逆効果。グッと我慢をし、「そう、そんなことがあったのね」「うんうん、それは辛かったよね」と、受け止めてあげることを繰り返していくと、心のエネルギーが徐々に溜まっていきますよ。
コロナ禍のいまは難しいのですが、解決の一歩として旅行に行くことも効果的だったりします。これは「転地療法」といって、日常の生活空間とまったく異なった空気の清浄な土地に比較的長期間滞在をすることで保養を行い、疾病をいやす手だてとすることなのですね。
転地を行うと、日常の生活空間とは異なった気象や風土環境によって、常同性(ステレオタイプ)が大きく変動を受けます。外出が苦手なお子さんはストレスになってしまうので注意が必要ですが、家族で旅行をしながら「世の中はこんなにも広く美しい」「自分の知らない楽しいことがまだまだたくさんある」という感動を共有していきましょう。
転地療法は比較的「初期」の不登校に有効的です。無理に連れ出すことはしないほうがよいのでご注意を。