みなさま、こんばんは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。きょうは、「不登校になったときにするべきこと」をみていきましょう。
不登校になる3つの原因
お子さんが「学校に行きたくない」「学校に行かない」といったとき。どう接してあげたらよいのか、迷ってしまうかたも多いと思います。
不登校となる原因としては、
- いじめなどの学校でのトラブル
- 両親との関係性
- 発達障害など本人の課題
の3つが挙げられます。ここから細かく理由が枝分かれをしていくのですが、まず、第一に気をつけていきたいことは「学校に行きなさい」「学校に行ってほしい」といわないことです。こちらは必須の条件となりますので、気をつけていただければと思います。
というのも、子どもは行きたい気持ちは十分にあるけど、身体が動かない、行こうとすると苦しくなる…という状態なのです。
そのようなときは、どれだけ大人が条件を整えようとしても逆効果となってしまうので、ゆっくりとおうちで休ませてあげましょう。
「謹慎」と「休養」の違い
そしてここからが大切なのですが、家にいると「休んでいる自分は悪いことをしているのではないか」「学校にいけない自分はダメなやつ」「みんなが学校に行っているのに、自分だけ家でのんびりするのはいけないことだ」と、子どもが自分で自分を責めていないか見てあげてください。
なぜかというと、日本の風潮として「みんなと同じことをしなければいけない」という同調文化なところがまだあちこちに残っているから。
ゆっくり休んでいいはずなのに、家のなかでも学校がある時間帯はそわそわと落ち着かなくなったり、イライラしたりと情緒が乱れるケースもとても多いので、「ゆっくり休んでいいんだよ」「いまは心のメンテナンス中」など「休むことは悪いことではないんだ」という意識を持たせてあげてください。
どうも、日本では学校や会社などで、長く休むことをよしとしない雰囲気があったりします。そしてきちんと休む許可を得たのに、こうした雰囲気を敏感に感じ取ってしまい、家のなかでのんびりすることを恐れてしまうケースも多くあるのですね。
これはどういうことかというと、多くの人が「休養を謹慎と勘違いしている」からなのだと、私は思います。休養は文字通り、心と身体を休めるためのものですからゆっくりしてもよい。好きなことを好きな時間にして、嫌なことを忘れる時間を設けても間違いではないのです。
なのに、多くの人が「謹慎状態」をイメージしてしまい、「みんなが学校に行っているのに、家で遊んでいる自分はダメなんだ」「行けないからこそ、家ではしっかりと勉強(仕事)しよう!」と家にいても、自分を追い込んでしまうことがよくみられます。
結果、心のエネルギーが回復しない状態が続いて、不登校が長期化してしまうということもありますので、お子さんがおうちにいるときは「元気な不登校」を目指してください。これが一番効果があります。
子どもが不登校になると、周りも気を使ってしまい、家のなかが暗くなってしまうこともあると思うのですが、一緒にリビングでお茶を飲んだり、テレビ番組について話したり、料理をしたり、趣味をしても構いません。外に出られるようでしたら、ランチをしたり買い物をしたり、映画を観に行っても構いません。
このとき、お子さん一人でというよりは、お母さん、お父さんが一緒の時間を過ごしてあげることがとても大切です。こうした何気ない日常風景からしか心のエネルギーは回復しないので、お子さんが学校を休んでいても焦らず、いまだからできる楽しいことを共有してあげてくださいね!