本人に課題がある場合の不登校は…
さて最後は、「子ども本人に課題がある場合」の不登校について、見ていきたいと思います。学校で大きなトラブルもなく、また、親子関係も特に問題視するところもないけど不登校になってしまった…というお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
「本人の課題」と書きましたがこれは、本人が悪い子だからとか、親御さんのしつけが悪いからとかではありませんので、安心してくださいね!この場合の課題とは、
- 発達障害がある
- コミュニケーションが苦手
- グループなどの集団が苦手
- 規則正しい生活が窮屈に感じる
- 授業や部活・クラブ・委員会など、やることが多いと疲れてしまう
- ひとつのことをじっくりと取り組みたい性格
など、本人の性格や特性、体力などが挙げられます。
人は誰でも苦手なことがいくつかありますよね。それが「学校」という場に集中してしまっているときに、生きづらさを感じたり、違和感を覚えたりしてしまうのですね。そして、肉体的な疲労に加えて心理的ストレスを抱えるようになると「行きたくないな…」と思うようになってきます。
これは主に、学校のシステムと自分の生活リズムが合わないことが原因だったりするのですね。親が当たり前だと思っているところにも、本人が苦手意識を持っていたりするので、本人からの話をよく聞いたり、学校の先生やスクールカウンセラー、部活の顧問など「多角的」にお子さんを見ていきましょう。お父さん、お母さんが見ているお子さんは、ご自宅にいる一面でしかないですからね。
そして、学校に行けなくなってしまった場合は必ず、学校と連携をし学習スタイルや保健室登校や遅刻早退などの相談を先生としておきましょう。
このとき、こうした相談を恥ずかしいので先生にしてほしくないと思う子どももいます。学校に行けない自分はダメだと思い込んでいることが多く、知られたくないと思ってしまうのですね。
特に思春期以降はプライドがでてきますので、まずは水面下で先生と相談をし、本人には伝えてよいタイミングを見つけながら「情報はひとつずつ丁寧に」していきましょうね(このときの丁寧は長話ではありませんので、注意しましょう。思春期の子どもにクドクド長々はNGです)。
親御さんとしては、なんとかしたい一心で
- 先生が1時間だけでもいいっていっていたわよ!
- 保健室でも大丈夫だって!
- 遅刻してもいいみたいだからしたそうしたら?
- 早退してもいいから明日行ってみようよ?
と、あれもこれもとつい全部を伝えてしまいたくなると思います。でも不登校になってしまっている子どもは、心が疲れてしまっているので、一度にたくさんの情報を受け取れません。
逆に、「何が何でも学校に行かせようとしているな」「ああ、やっぱり休んでいることをよく思っていないんだ」と、信頼関係が崩れてしまいます。
もちろん、上記の声掛けの一つ一つは悪いものではありません。でも、こうした声掛けのポイントは上記の言葉に加えて「あなたはどうしたい?」と聞くこと。「行く」「行かない」の判断は子どもに委ねましょう。
「行かない」といっても「じゃあこうしたら行ける?」の条件をいきなり出してはいけません。「わかった。きょうは行かないって決めたのね」と子どもの判断を必ず認め、受け入れていきましょう。
不登校の対応としては、ご家庭では元気でいることを目指し、学校とは親が連絡を取り合って本人の様子を伝え、整えていただける条件を提示しながら話し合い、いつ戻ってもよい環境を作って置いてあげるとよいと思います。
いつでも戻れるように条件を整えていることは、お子さんがまだ情緒が安定しないときは伝えないほうがよいでしょう。なぜなら、親も先生も自分を無理やり学校に戻そうとしていると、勘違いしてしまう場合があるからです(もちろん、お子さんが聞いたほうが安心しそうな場合は、伝えてあげてください)。
そして、親御さんもひとりで抱えず、スクールカウンセラー、教育機関、不登校の親の会など、気持ちを打ち明けられる場を作ってくださいね。
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