親子関係が原因の不登校は…
次に、「親子関係が原因」の不登校についてみていきましょう。
学校では特に問題もなく、むしろ先生からの評価が高かったり、お友達ともうまくやっていたのに突如、不登校になってしまう。こんなとき、「問題がないのになぜ?」と不安になってしまう親御さんも多いと思います。
これはどの原因についても共通なのですが、お子さんが学校に行きたくない・行かないとなったときは慌てず「そう、あなたはそう思っているのね」「うん、あなたがそう思うのなら休んでもいいよ」の一言を掛けてあげてください。
「行く」以外の選択肢を与えていくのも、大人になるうえで重要なことです。学校に行くことばかりを強要してしまうと、大人になって会社が辛くなったときに休めず、しんどい想いをしてしまいます。
心も体も元気であれば行く、疲れてしまったときは休む。人生ではこのふたつが必要です。子どもにはバランスよく行動していける大人になってほしいですよね。
さて話を戻しますが、不登校の原因で「親子関係」があります。これは主に「親に自分を理解してもらえない苦しさ」からくるものです。学校に行かないのは、親へのちょっとした反抗心からきていたりします。
- こんなに頑張っているのに、ちっとも褒めてくれない
- やってもやっても「このくらい当たり前」といわれて寂しい
- 点数がいい兄弟ばかりに目を向けて、自分を見てくれていない
- いいときばかり褒めて、できないと怒られる
など、真面目で優等生、完璧主義タイプのお子さんが抱えることが多く、お父さん、お母さんに褒められたい一心で学校では無理をして頑張っているケースがあります。
- いい点数を取ると、お母さんが喜ぶから
- お父さんに褒めてもらいたいから
- 点数が悪いと、お母さんが悲しそうな顔をするから
と、このタイプの子どもは視点が自分になく「親」になってしまっており、自分のための勉強や行動がいつしか「親のため」になっていることがあります。もちろんこれは、お母さん、お父さんのことが大好きだからゆえのものなのですね。
「誰かを喜ばせたい、喜んでもらいたい」と思うことは素晴らしいことです。でも、すべての行動は「自分自身」のためにあります。
そして、優等生・完璧主義タイプの子どもが、頑張っても認めてもらえなかったり、ミスを指摘されると心のバランスが崩れてしまい、「もうこれ以上頑張れない」「苦しい気持ち、わかってほしい」という想いが湧き上がり、学校に行かない・行けないという状況に陥ってしまうのです。
でも、完璧主義がゆえにプライドも高く、苦しい気持ちを吐き出すことは恥ずかしいと閉じこもってしまうのです。もし学校などで特に問題がなく、不登校になってしまった場合は、声掛けや接し方を思い返してみて、
- 結果だけをみていなかったか
- 学校でトラブルなく過ごすのを当たり前だと思っていなかったか
- テストのできないところだけをいっていなかったか
- 100点のテストを「当たり前」だと思っていなかったか
- あなたは真面目で問題がないからと、子どもの気持ちを置き去りにしていなかったか
などを考えてみてください。そして、「できないところがあってもいい」「お母さんも○○が苦手だったから、気持ちわかるわ~」「どんなあなたでも大切だから」と、お子さんのすべてを受け入れてあげましょう。
できない自分も自分、できる自分も自分。どっちの自分の大切。こう思えるようになることが、お子さんの自己肯定感アップに繋がります。むしろ、不登校や難しい局面に直面したときこそ、自己肯定感を大きくアップできるチャンスです。
「学校に行けなくなってしまった自分でも、親は見捨てずにそばにいてくれた」「ダメな自分でも好きだといってくれた」。子どもがこう思うことで、「どんな自分でも受け入れてもらえる」「どんな自分でも自分は愛されている」と強く思えるようになります。
お子さんの不登校で、苦しい想いをしている親御さんも多いと思いますが、こんなときこそ「親子の絆」を強く太くするチャンスですよ。