カウンセリング×心理療法の、問題解決型カウンセラー・前田泰章です。メルマガでは、人間関係の改善、日常生活や仕事に役立つ情報を、実体験を通して語っています。
きょうは、「ランチメイト症候群」についてお話ししましょう。
読者のお悩み「ひとりは嫌だけど、気を遣うのも嫌」
勤続年数10年目の女性会社員です。先日はじめて会社のなかで異動があって、知らない部署に移ることになりました。
いままでの部署は年配の男性ばかりだったので、あまり話さずにすんでラクだったのですが、今度は女性が多くなります。もともと人見知りなので、うまくやっていけるか不安です。
特にお昼が不安です。いままでは、自分のペースでお昼ご飯を食べていたのですが、今度の部署はそうもいかないのでは…と思っています。気の合わない人とのお昼だったら、何を話していいのかわかりません。だからといって、ひとりでお昼を過ごすのもいやです。
「こんなことをいまから考えてもしょうがない」と自分に言い聞かせていますが、ふとしたときに考えてしまいます。この人見知りの性格を治せれば、こんなことで悩まずにすむのでしょうけど…私はどうしたらいいのでしょうか?
「ランチメイト症候群」って?
相談者さんのような悩みは、女性に多くみられるものです。「人見知り」の程度にもよるのですが、基本的には対人恐怖症ぎみのところがあるのかもしれません。
そういう人は、新しい環境や事態が苦手なものです。いろいろと警戒する気持ちが強いのでしょう。警戒心が強いといっても、悪いことばかりではなく、慎重な姿勢や態度を備えていることでもあります。それは仕事の正確さなどにも現れますから、そこで信頼を得ていることでしょう。
新しい環境になったからといって最初から飛ばすような無理はしないで、あくまでもいままでのペースでやるのがいいと思います。
「これからはもっと自分を出していこう」「もっと積極的な自分になろう」などと、堅苦しく考えることはありません。結果的にそうなれればいいですが、「まずは新しい環境で仕事が無難にこなせればOK」ぐらいの心持ちでいきましょう。
お昼を一緒に過ごすのが苦手というのは、「ランチメイト症候群」です。これは数年前から聞かれるようになった言葉で、最近では、会社勤めの若い女性の間でも見られるようになってきました。
すごく知っているわけではないけれど、ランチだけは一緒といういわゆる「半知り」の人間関係です。この「半知り」が苦手なことからくる緊張の代表例として、「ランチメイト症候群」があげられます。
「一人でお昼ご飯が食べられない」「いつも一緒に昼食に行くランチメイトのなかに、苦手な人がいる。でも、そのグループから抜けられない」というケースです。そのランチメイトが、年齢が近い3人~4人の女性グループというのがありがちなパターン。
昼食に一緒に行く以外は特別に親しいわけでもなく、だからかえって気をつかってしまうようなのです。
ひとりになるのはイヤ。ひとりで昼食を食べているところを誰かに見られて、「孤独な人ね」なんて思われるのが一番イヤ。かといって、自分から別の誰かを誘うこともできないし、いつもの相手を断ることもできないし…。
そんな状況を続けているうちにストレスをため込んで、仕事に身が入らなくなってしまうこともあり、最悪の場合、出社できないほどの状態になってしまう人もいます。
そうなってしまうと、何のために仕事をしているのかも見失ってしまいますよね。そういった状況になってしまったら、いまおかれている現状を変える工夫も必要です。
どうしてもお昼を一緒に過ごすのがイヤになってしまったら、お昼を食べないという生活習慣にするのもひとつの手。1日2食でも大丈夫な人は大勢います。その時間を仕事にあてれば、仕事の効率もUPするかもしれません。
「最悪お昼を食べなくてもいい」と、開きなることができれば、少しは気分もラクになるのではないでしょうか。
とにかく、最初は次のことだけには気をつけてください。
- あいさつをしっかりする
- 仕事をしっかりこなす
- 年長年少を意識しすぎない
あくまでも自分は新参者で、その部署の人に教えてもらうという謙虚な態度でいることです。無理はしすぎず、あなたのペースで慣れていきましょうね。
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