カウンセリング×心理療法の、問題解決型カウンセラー・前田泰章です。メルマガでは、人間関係の改善、日常生活や仕事に役立つ情報を、実体験を通して語っています。
きょうは、「過去を清算して心の重荷を下ろす」をテーマに、映像イメージで心を変えるワークを3つご紹介します。
1.当事者ではなく傍観者として見る
つらかった思い出をひとつ思い浮かべてください。その場面には、
- あなたの姿が映っていますか?(傍観者として見ている)
- 過去のあなたの目でその世界を見ていますか?(当事者として見ている)
もし当事者として見ていたら、傍観者として見直してみてください。
当事者として見ていたときと比べて、つらさはどうですか?きっと、傍観者として見ているほうがつらさを感じないはずです。
このように、つらかった過去をいまだに引きずっている人は、その出来事を当時の自分の目で見ているように思い出します。記憶のなかで当事者としていま現在もそのときのつらさを感じ続けているのです。
現実の世界では、自分で自分の姿を見ることはできません。自分で見ることができるのは、他人の姿だけです。
つまり、思い出したときにそこに自分の姿が映っているのなら、その出来事はもう他人事になっているのです。だから、つらさを感じないわけです。
過去に元夫からひどいDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けていたことがトラウマになっている女性がいました。
その女性は、まず頭上にスクリーンを思い浮かべ、そのスクリーンに当時の様子を映像として映し出し、それを現在の自分が映画のワンシーンとして見ているとイメージしました。
現実ではなく、映画のなかのことだとイメージしたことで傍観者となり、つらい気持ちを和らげることができました。
同じ出来事でも、当事者として体験しているか、そばで見ているだけかで、受ける影響の大きさは全く違います。イメージの世界でも同様です。
ある出来事を自分が体験しているようにイメージすると感覚は強まり、傍観者としてイメージすれば、感覚は弱まります。
2.「お先真っ暗」を明るい未来に変える
思い出すと気分が暗くなる出来事。それを映像として思い出してください。頭のうえにスクリーンがあるようにイメージすると、映像になりやすいですね。
そして、その画面を明るくしてみましょう。どうですか?画面を明るくしたら、暗い気分が和らぎましたよね。
「明るい未来」「お先真っ暗」という言葉があるように、明るさは感情に大きな影響を与えています。天気が暗いと気分まで暗くなる。天気がいいと、気分まで明るくなりますよね。映像を明るくすることで、文字通り気分も明るくなります。
担任したクラスが、学級崩壊した経験のある小学校教師がいました。その教師は、授業中に児童が立ち歩いたり、おしゃべりをしたりしていて、全く話を聞いてもらえなかったことを思い出して、つらくなっていました。
そこで、そのつらかった場面を意識的に思い出し、その映像を徐々に明るくしてもらいました。すると、画面が光でいっぱいになり、真っ白に。嫌な場面が見えなくなり、気持ちが楽になったといいます。
思い出すと気分が暗くなる出来事も、映像として思い出し、スマホで撮った写真を加工するように明るく変えてしまいましょう。気分も少しだけ明るくなります。