なぜ生理用品を買えないか
では、なぜ生理用品を買えない人が多いのでしょうか。生理フレンドリーな社会を目指す「#みんなの生理」が今年、高校生以上の学生を対象に日本の若者の生理に関するアンケート調査を行いました。
その結果、「金銭的理由により生理用品の購入が困難であったか」という質問に対し、約5人に1人が「はい」と回答。
さらに金銭的な理由で「友達などに生理用品をゆずってもらったことがある」、「生理用品を交換する頻度・回数 を減らした」、「生理用品でないものを使った」、「生理用品代を節約するために生理用品の種類を変えた」とそれぞれの質問に対し、約3割の人が該当していることがわかりました。
また、ユース女性15〜24歳を対象に行った日本のユース女性の生理をめぐる意識調査をめぐる意識調査では、生理用品が買えないあるいは入手困難な理由として「収入が少ないから」が11.2%、「生理用品が高額だから」が9.0%、「お小遣いなど自分が使えるお金が少ないから」が8.7%と回答。どれも共通して金銭的な理由で入手できないことがわかります。
さらに、コロナ禍により企業の雇用や国民の生活に影響が出ていることもあげられます。総務省が発表した2020年度平均の就業者数をみると、非正規の女性雇用者は前年度比で65万人減っており、非正規男性の32万人減に比べると2倍以上の落ち込み。
特に女性の失業率が著しく減少していることから、シングルマザーの金銭的困窮も深刻化していることが現状なのです。
「携帯代は払えるのに生理用品は買えない」といった意見も
生理の貧困についての議論で、必ずといっていいほど見かけるのが、「コスメや携帯代は払えるのに生理用品は買えないのはおかしい」という意見です。ですが、生理の貧困の「貧困」とは、金銭的な問題含め、環境や教育などのさまざまな問題が含まれた意味で使われています。
生理のある人なら、いきなり生理になってしまった経験は一度はあるでしょう。生理現象なので当然考えられる状況ではありますが、「生理用品がほしい」と言いづらい環境があるも事実。「買えない」のではなく「言いづらい」から入手困難な状況に置かれるケースもあるのです。
声をあげづらいことから、生理の問題が表面化されにくいことが現状にあるため、タブー視するのではなく当たり前な存在として認識することが現時点での課題としてあります。